環維協の機関誌『環境施設マネジメント』76号を、2023年9月21日(木)に発行いたしました。
本年7月に就任した近藤哲也会長のあいさつ文を掲載しています。
「The Voice」コーナーでは、袋井市森町広域行政組合中遠クリーンセンターにインタビューさせていただきました。
「現場訪問記」は今号より大阪産業大学の学生さんが担当。ベトナムからの留学生ド ティ ゴック チエンさんに仙台市葛岡工場を訪問していただきました。また、「The Voice」特別編として、大阪産業大学の花嶋温子准教授にもお話を伺いました。
定例の「維持管理技術講座」「現場からのレポート」なども充実しています。
『環境施設マネジメント』は、協会会員以外の方にもご購入いただけます。
詳細は当協会WEBの「出版物一般案内」をご覧ください。
2023年度の環境施設総括管理士資格認定研修会が9月7日、8日の両日、新規申請者8名(ごみ焼却6名、リサイクル2名)、登録更新申請者29名、再開申請者2名その他審査委員、協会関係者を含め総勢約60名が参加してアジュール竹芝で開催されました。
近藤会長から、「環境衛生施設維持管理業協会は、廃棄物処理施設の運転維持管理会社の事業団体として1985年4月に設立されました。現在、当協会は、加盟会社19社、受託事業所は合計1,000ヶ所以上に及び、そこには加盟各社の運転員の方々が16,000名も日々業務に携わっており、ますます社会で重要な役割を担っています。
当協会の事業目的は会員相互の協力により、環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営・作業管理の推進を通じて公共事業の使命に寄与することです。この目的達成のために、『操業技術力』、『安全衛生推進力』、『運営管理力』の3つの要素からなる『現場総合力』の更なる向上を目標とし、広く社会に貢献していく活動に取組んでおります。
1992年11月に設立しました環境施設総括管理士制度は、これらを達成するための事業活動の一つとして創設しました。総括管理士は運転維持管理のエキスパート集団であり、技術部会・安全衛生部会で活躍するとともに社内の指導者として期待されています。
さらに、当協会を取巻く事業環境や社会要求は時々刻々変化してきております。
施設運営の受託契約では複数年契約や長期包括契約あるいはDBO契約が増加し、契約形態の変化に伴い、それに即した技能の向上が求められてきております。
また、環境衛生施設おけるエネルギー回収や資源化に対する機能増強、防災拠点として期待されており、これを実現するべく地域の関係者と協力した活動が必要になってきております。総括管理士各位の指導者としての役割、活動に期待しています。」との挨拶がありました。
環境省、廃棄物関連法人などから著名な方々を講師に招き、最新の環境行政、脱炭素社会に向けた展望と課題、廃プラスチック問題とその対応および安全衛生管理など多くの貴重な講義をいただき、総括管理士としての重要な役割を認識するとともに、廃棄物処理に関する最新の情報を得る貴重な2日間でありました。
最後に、保延資格審査委員長から、「環境施設維持管理業協会の活動目標は『現場総合力の更なる向上』であり、『操業技術力』、『安全衛生推進力』および『運営管理力』の3つの要素の実力を高め、広く地域社会に貢献するために活動を行っている。
この目標を達成するための施策の一つとして『環境施設総括管理士を筆頭とする運転維持管理のエキスパート集団として事業を発展していく。』とうたっており、総括管理士各位には「現場総合力の向上」のための指導者として事業所の安全・安定操業と適正な運営・維持管理能力向上をを図るとともに、環境衛生事業の推進、発展に寄与することを期待されている。」との激励のメッセージがあり研修会を終了しました。
新規申請者は、今後、論文審査、口述審査を経て、2024年1月の理事会で正式に承認された後、新総括管理士として登録される予定です。
ちなみに、今回の資格認定研修会の講師とテーマは以下の通りです。
・「環維協の概要および総括管理士の役割」
当協会 環境施設総括管理士会 川端 保宏 代表
・「運転管理会社としての安全衛生対策」
当協会 安全衛生部会 笠原 浩和 部会長
・「最近の廃棄物・リサイクル行政の動向について」
環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課
髙橋 亮介 課長補佐
・「自治体のごみ処理の現況と今後」
(公社)全国都市清掃会議 荒井 喜久雄 技術顧問
・「自治体から見た廃棄物処理施設の運営・維持管理の状況と課題」
(公社)全国都市清掃会議 八鍬 浩 技術部長
・「脱炭素社会に向けた市町村等における廃棄処理の今後の展望と課題」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業本部環境事業第一部
藤原 周史 部長
・「し尿処理・汚泥再生処理施設に係る現代の運転管理」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業本部環境事業第三部
稲田 隆治 次長
・「汚泥処理施設の廃統合とし尿・汚泥再生処理施設の近未来像」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業本部環境事業第三部
松田 圭二 部長
・「循環経済に向けた廃棄物処理システムの変革」
(国研)国立環境研究所 資源循環領域
大迫 政浩 領域長
・「廃プラスチック問題とその対応」
(株)廃棄物工学研究所 代表
岡山大学 名誉教授 田中 勝 代表
認定研修会
近藤会長の開会挨拶 環境省 髙橋課長補佐
全都清 荒井技術顧問 全都清 八鍬技術部長
・日 時:7月20日 10:00〜11:25(技術部会全体会議)
10:20〜11:25(安全衛生部会全体会議)
13:15〜16:45(合同意見交換会)
・場 所:東京グランドホテル
・出席者:技術部会 41名、安全衛生部会 34名、合同意見交換会 80名
午前中の「全体会議」では技術部会、安全衛生部会の基本方針と各活動グループから2023年度の活動計画について報告がありました。
午後に開催された「総括管理士会・技術部会・安全衛生部会 合同意見交換会」では川端総括管理士会代表、石川技術部会長および笠原安全衛生部会長からそれぞれ2022年度の活動実績と2023年度の活動計画の報告がありました。
技術部会からのトピックスとして「日本環境衛生施設工業会との技術交流会報告」および「施設見学研修報告」が施設調査・関連団体グループ代表からあり、石川技術部会長から「技術部会・安全衛生部会の活動活性化について」に関して講演が行われました。
安全衛生部会からは「2022年環維協災害調査報告・高年齢労働者安全衛生対策」について笠原安全衛生部会長から報告されました。
次に、クボタ環境エンジニアリング(株)および(株)川崎技研からそれぞれ「わが社の安全衛生活動」の報告がありました。
続いて、「2022年災害調査報告」に関して神鳥副部会長(調査グループ代表)から報告が行われました。
両部会長および総括管理士会代表の講評の後、意見交換会を終了しました。
合同意見交換会終了後、4年ぶりの懇親会の開催となり、親交を深めました。
一般社団法人環境衛生施設維持管理業協会の第十四回通常総会が7月7日(金)14時40分から、東京都港区の芝パークホテルにて開催されました。
﨑山会長から「令和2年の初めから猛威を振るった新型コロナ感染症も今年の5月には5類感染症に移行しました。会員会社では感染防止に努められ、新型コロナ感染症による中断もなく廃棄物処理が継続されております。
このような状況の中、環維協の加盟会社は19社を数え、環境衛生施設の受託件数は年々増加してきており、ごみ焼却施設・リサイクル処理施設・汚泥再生処理施設などを合わせて全国に1,002施設、そこには約16,600人の加盟各社の運転員の方々が日々業務に携わっております。
このように環維協は日本の環境衛生施設の運営・維持管理における重要な役割を担っており、施設の存在する各地域の生活にとってなくてはならない存在となっております。最後に、環維協の発展は会員各社の協力と理解が欠かせません。今後とも関係する皆様方の引続きのご指導、ご鞭撻よろしくお願いいたします。」と挨拶があり、引き続き議事に入りました。
議事では令和4年度の事業報告・決算および令和5年度の事業計画・予算が原案どおり可決承認されました。続いて現理事11名および現監事1名の任期満了に伴い、理事11名と監事1名が選任されました。
総会後の理事会において会長・副会長の選定が行われ、近藤会長と小武海副会長および石川副会長が新たに選定されました。
新しく就任した近藤新会長から就任挨拶があり(就任挨拶は別途「ご挨拶」に掲載)、その後、貢献者表彰に移り、特別貢献者2名、貢献者6名に近藤新会長より感謝状と記念品が手渡されました。
講演会では環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課 課長の松粼裕司様から『最近の廃棄物・リサイクル行政の動向について』と題して貴重な講演をいただきました。
18時からは懇親会になり、環境省 廃棄物適正処理推進課長の松﨑裕司様からご祝辞をいただき、岡山大学 名誉教授の田中勝先生にご挨拶をいただきました。
次に、一般財団法人 日本環境衛生センター南川秀樹理事長(日本廃棄物団体連合会副会長)、のご発声で乾杯、懇談となりました。
その後、盛会裡に散会となりました。
<通常総会挨拶 﨑山会長> <講演会 環境省 環境再生・資源循環局
廃棄物適正処理推進課 松﨑課長>
恒例行事である(一社)日本環境衛生施設工業会(JEFMA)と(一社)環境衛生施設維持管理業協会(JEMA)との技術交流会(廃棄物処理施設維持管理検討会)が令和5年7月5日にビジョンセンター浜松町にて開催されました。
出席者は、JEFMA14名、JEMA18名の合計32名でした。
会議は、JEMAの守谷企画運営委員長の挨拶で始まり、引き続きJEMAからの活動報告、JEFMAからの活動報告そして自由討議の順で進みました。
JEMAからの活動報告では稲田事務局長より、環維協の活動概要について説明があり、引き続き石川技術部会長より、技術部会の役割と活動方針、組織および活動報告がありました。
最後に笠原安全衛生部会長から安全衛生部会活動について説明を行いました。
JEFMAからは、技術委員会の横山委員長より、技術委員会の活動報告およびトピックスの報告をいただきました。
トピックスの項目は以下のとおりです。
1.廃棄物処理施設の耐震・浸水対策の手引き(環境省)
2.廃棄物処理施設整備におけるプラント工事に係るスライド協議の促進
3.第20回海外環境事情調査
自由討議ではそれぞれの説明内容の質疑応答や「カーボンニュートラル対応の進捗と今後の動向」、「リチウムイオン電池の火災対策への取組」、「超高温・高圧蒸気採用の長期的なリスク評価」および「ガス・粉じん防爆防止対策の実例」などに関する活発な意見交換が行われ、有意義な交流会となりました。
この会議が、関係各社間の情報の共有化はもとより会員会社内で現場総合力の向上に向けた活動につながりますように期待しております。
当協会の事業目的は「会員相互の協力により、環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営・作業管理の推進を通じて公共事業の使命に寄与すること」を主とし、あわせて「会員相互と運転維持管理業の健全な発展を期すること」を目的としております。さらに「地域に根ざして、社会を支える環維協、より時代に合った、より社会に開かれた活動を目指す」を活動方針とし、「現場総合力のさらなる向上」を活動目標に掲げ、「操業技術力」、「安全衛生推進力」、「運営管理力」の3つの要素の実力を高め、広く社会に貢献するよう活動に取り組んでおります。また、これらの活動の成果をホームページや各種出版物を通じ、社会に還元を図っております。
さて、平成25年に発刊しました「維持管理事業所運営の手引き(三訂版)」から10年が過ぎ、法改正や環境衛生施設に対する社会や時代の多様な要請に対応すべく、改訂作業を技術部会研究グループが中心となり関係各部会、関係各社の協力のもと進めて参りました。
この度、「維持管理事業所運営の手引き(四訂版)」(運営管理編・ごみ処理技術編、運営管理編・し尿処理技術編)が令和5年6月発刊の運びとなりました。
環境衛生施設の運転維持管理の重要性はこれからも高まりこそすれ、低下することはありません。この「維持管理事業所運営の手引き」を環境衛生施設の事業所運営における運営管理を始め、基礎的な知識・技術から具体的な施設運転・維持管理、日常の教育、自分たちの技術の向上に役立てていただきたいと存じます。
本書が多くの環境衛生施設の運転維持管理事業所で活用されますことを祈念いたします。
令和5年6月
一般社団法人 環境衛生施設維持管理業協会
環維協技術部会では先進技術あるいは特徴的な技術を取り入れた廃棄物処理施設の見学研修会を実施しており、「令和5年度技術部会施設見学研修会」を下記のとおり開催しました。
1. 開催日:令和5年6月1日(木)
2. 見学施設
1) 水処理施設
住所:〒001-0045 札幌市北区麻生町8丁目
札幌市下水道科学館・創成川水再生プラザ(下水処理施設)
2) ごみ処理施設
住所:〒005-0861 札幌市南区真駒岡602番地
札幌市駒岡清掃工場
3. 参加者数 1)水処理施設28名 2) ごみ処理施設32名
4. 施設および研修概要
1)札幌市下水道科学館・創成川水再生プラザ(下水処理施設)
創成川水再生プラザ処理能力:合流式144,000m3/日
【研修概要】
札幌市下水道科学館は、下水道の仕組みや下水道が水環境の保全に果たす役割など下水道の知識を楽しみながら理解していただくため、政令指定都市では名古屋市、大阪市に次ぐ常設の下水道広報施設として1997年に開館しました。
2018年に開館20年を機に展示物をリニューアルし、普段見えにくい下水道事業を身近に感じていただけるように、下水道に関する仕事が疑似的に体験できる展示物が沢山あり、1階のワードビューシアターを含め大変興味深いものでした。
科学館内の見学後に隣接する創成川水再生プラザを札幌市資源循環公社の西岡館長から野球場やテニスコートの地下に設置される下水処理施設を流入から放流までの順で説明していただきました。
コロナ渦においては安全安心のため放流水を次亜塩素酸により消毒を行っていたとのことでしたが、処理水質が安定している時は環境負荷の低減のため消毒せずに放流するとの興味深いお話を伺いました。
2) 札幌市駒岡清掃工場
処理方式:全連続燃焼式ストーカ炉 発電4,960kW
処理能力:ごみ焼却施設300t/日×2炉、粗大ごみ処理施設200t/日
【研修概要】
駒岡清掃工場は、1985年竣工の38年稼働継続中の施設で2025年に建設中の新施設へ引き継ぎが計画されており、ごみ焼却施設と粗大ごみ処理施設を併設していました。ごみ焼却施設は蒸気タービン発電機と蒸気復水器が完全2系列で構成されていました。
ごみ焼却施設の運転管理は、計量・受入・プラットホーム・灰出し業務は直営で、ごみクレーン以降の運転管理をタクマテクノス北海道様が管理する体制でありました。
施設到着後、会議室でタクマテクノス北海道駒岡事業所の岩佐所長と塩田部長より設備の概略説明や寒冷地特有の苦労話なども伺い、質疑応答後中央制御室や見学者通路よりタービンや建設中の新施設などを見学しました。
5. おわりに
今回見学した2施設は豪雪・凍結・低温下対策のため、創成川水再生プラザセンターは沈砂槽・曝気槽・沈殿槽等の主要装置は地下に設置され、駒岡清掃工場では蒸気復水器は屋内に配置し入口シャッターと循環シャッターにて冷却空気温度をコントロールしているなどの説明を受け、他にも要所に工夫が施されていると感じました。
また西岡館長から、昨年は創成川水再生プラザの放流先の創生川では鮭の遡上も確認されとのことお話も伺い、仕事する喜びが伝わってきました。
施設見学時は、新型コロナウイルスの分類が2類から5類と引き下がりましたが、大勢の見学者受け入れを承諾していただきました時期を思い返しますと、見学を承諾して頂きました関係各位にこの場をお借りしまして感謝申し上げます。
今回の施設見学研修会では、2施設で直接見聞きし、大変有意義な施設見学研修会となりました。
本報告は協会誌「環境施設マネジメント」76号に掲載の予定です。
2023年度「環境施設総括管理士」新規申請者の募集を開始しました。
同時に3年毎の登録更新者の更新手続きも受付を開始しました。
一般社団法人 環境衛生施設維持管理業協会(略称、環維協)では2023年度の「環境施設総括管理士」新規申請者および登録更新者の募集を2023年5月15日に開始いたしました。応募締切は6月5日です。
新規応募者はこのあと、論文作成要領説明会(7月12日開催)、資格認定研修会(9月7日,8日開催)、論文審査(論文は9月21日締切)および口述審査(11月29日,30日開催)を経て、2024年1月の理事会で正式に認定されます。
この環境施設総括管理士は、環境衛生施設の運転・維持管理における最上位に位置する資格と自負しており、特に論文作成には廃棄物処理施設の計画・設計から運転維持管理までの幅広い知識が必要とされます。
応募資格は環維協の会員会社に在籍し、廃棄物処理に関する技術上の業務に申請時に10年以上の経験を有し、技術士または一般財団法人日本環境衛生センターの「廃棄物処理施設技術管理士」の資格を取得したもので、環境施設総括管理士認定後に配属される技術部会・安全衛生部会での部会活動に参画できることなどを条件としています。多くの応募を期待しております。
応募の詳細は会員各社の協会窓口担当者へ送信しましたそれぞれの募集要項をご参照下さい。
・新規応募者の方…2023年度環境施設総括管理士 新規募集
・登録更新者の方…2023年度環境施設総括管理士 登録更新
環境衛生施設維持管理業協会(JEMA)では、技術部会・研究グループを中心とした研究活動の成果として、大規模災害等発生時に、社会的重要インフラである環境衛生施設における事業継続計画(BCP)の策定を広く推進することを目的とし、「JEMA版事業所BCP」をHPに掲載しておりますが、昨今では、「気候変動ガイドライン」(環境省 2019年発布)にも見られますように、気候変動に伴い頻発する水害等、大地震以外の大規模災害にも対応すべく、この度、大幅な見直しを実施しました。
2023年4月より、本ホームページに改訂版「JEMA版事業所BCP」を掲載します。本内容をご参考として頂き、全国の環境衛生施設におけるBCP策定の一助となれば幸いです。
技術部会長
近年、大規模災害が頻発する状況に対して国土強靭化や災害廃棄物処理計画策定の取り組みが進められています。環境省では、2015年9月16日に災害対応関係者による人的支援ネットワークとしてD.Waste-Netを立ち上げ、環維協も民間事業者団体として環境省の認定を受けて参加しております。その後にD.Waste-Netの再編があり、一般社団法人環境衛生施設維持管理業協会(環維協/JEMA)は「復興・復旧対応支援」グループに属し、以下の役割を期待されております。
① 災害廃棄物処理実行計画の策定等に対する技術支援
② 災害廃棄物の広域処理の実施スキームの構築、処理施設での受入れ調整等
2022年3月16日23時36分に福島県沖を震源とする地震により、東北電力と関東電力管内において一時的に約223万戸で停電が発生し、東北道や常磐道においても一時的な通行止め、東北新幹線は車輌の脱線が発生し、全線運転再開に約1ヵ月を要しました。
ここに、被災者の方々に対し心からお見舞い申し上げますとともに、この貴重な経験を災害に対する備えや今後の災害対応に活かすべく、また、11年が経過しました東北地方太平洋沖地震(3.11)の教訓がどのように生かされたのか環維協として今回の災害に対する取り組みの状況を調査することと致しました。遅くなりましたが、調査結果に示される貴重な教訓を、多くの関係者と共有するために、この調査結果を「2022年3月16日福島県沖地震に係る災害調査報告」として追加掲載しました。過去の調査結果同様に、ご活用いただければと考えます。
環維協としては、気候変動により頻発している大規模水害対策を含め、本アンケート調査等も反映し、より充実した「JEMA版事業所BCP」についてもホームページに掲載しております。
これらの教訓が、関係各位の今後の災害への備えの参考になれば幸いです。
最後になりますが、今回のアンケートにご協力いただいた関係各位に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
環維協の機関誌『環境施設マネジメント』75号を、2023年3月10日(金)に発行いたしました。
広報部会の開催にあたっては引き続き、新型コロナウイルス感染症防止の観点からWEB会議を併用し、万全の感染防止策をとりながら編集作業を進めてまいりました。
「巻頭言」は、環境省環境再生・資源循環局の土居健太郎局長より「現場で培われた知識と経験に期待」と題してご執筆いただきました。
「リレー随筆」は神鋼環境メンテナンス(株)の小武海陽代表取締役社長にご担当いただきました。「私がいただいてきたたくさんの言葉に感謝」という題の通り、胸に残る言葉を通して人生を振り返る、心温まる随筆です。
「The Voice」コーナーでは、北海道の渡島西部広域事務組合・渡島西部衛生センターにインタビューさせていただきました。
定例の「維持管理技術講座」「現場からのレポート」「現場訪問記」なども充実しています。
『環境施設マネジメント』は、協会会員以外の方にもご購入いただけます。詳細は当協会WEBの「出版物一般案内」をご覧ください。
令和5年3月8日、協会機関誌『環境施設マネジメント』の人気企画である「維持管理第一線/現場訪問記」の取材のため、大阪産業大学デザイン工学部環境理工学科3年のド ティ ゴック チエンさんが、宮城県仙台市の葛岡工場を見学しました。
「維持管理第一線/現場訪問記」は、大学生が環境施設の維持管理の現場を訪れ、学生の視点から自由にレポートする企画です。
葛岡工場は、仙台市に3カ所あるごみ焼却施設のひとつで、竣工から28年が経過していますが、基幹的設備改良工事を経て大切に運転管理されています。粗大ごみ処理施設、資源化センターを併設しているほか、リサイクルプラザや余熱を利用した温水プールも備えており、多くの市民が訪れています。
当日は施設の特徴についてお話を伺った後、実際に施設内を見学させていただきました。これまでもゼミの活動で廃棄物処理施設を複数見学したことがあったチエンさんですが、中央管制室の中に入ったり、蒸気タービン発電機を間近で見たりするのは初めての経験だったとのこと。施設の隅々までよく観察し、矢継ぎ早に質問していました。また、隣接するリサイクルプラザでも焼却炉の仕組みなどをわかりやすく解説していただき、充実の見学となりました。
【施設概要】
所在地:仙台市青葉区郷六字葛岡57-1
竣工:1995年8月(2014~17年に基幹的設備改良工事)
処理能力:600t/d(300t×2炉)
チエンさんによる現場訪問記は、『環境施設マネジメント』76号(2023年9月発刊予定)に掲載します。
第2回技術部会全体会議、総括管理士会全体会議、総括管理士認証式が神戸市三宮グランドビル(神鋼環境メンテナンス(株)が入居)で開催されました。
日 時:令和5年3月2日(木) 13:30〜17:00
場 所:三宮グランドビル2階会議室(神戸市)
出席者:技術部会:54名、総括管理士会:62名、総括管理士認証式:62名
1.技術部会全体会議
石川技術部会長より技術部会の役割・組織・活動概要について、笠原安全衛生部会長より安全衛生部会の活動状況の説明がありました。引き続き、技術部会の各グループ代表および各チームリーダーから、それぞれのグループ、チーム活動の詳細な報告等、年間活動の成果が発表されました。
2.総括管理士会全体会議
総括管理士54名(新規6名を含む)、その他8名参加のもと全体会議が行われました。
川端総管士会代表より、総括管理士会の活動報告と、総括管理士の協会内活動状況について報告されました。
3.総括管理士認証式
今回認定されたのは、新規総括管理士7名と登録更新者41名で、今回の登録者を含めて総括管理士の総数は122名となりました。(部門別内訳は、ごみ焼却:87名、粗大・リサイクル:11名、し尿・汚泥再生:24名)
新規総括管理士は2日間の認定研修会を受講したうえで厳しい論文審査、口述審査に合格して、1月の理事会で承認され、今回の認証式に至りました。
認証式では﨑山会長より新総括管理士一人ひとりに、また登録更新者は代表者に認定証が手渡されました。その後、新総括管理士が自己紹介と抱負を述べた後、辻資格審査委員長から、下記の講評がありました。
【辻資格審査委員長の講評の要旨】
「今年度1年間の審査を振り返り、新規申請者の苦労をねぎらい、今後、更新申請者とともに総括管理士の一員として自社内での指導・支援および環維協での活躍をお願いする。新規に総括管理士になられた方は、「口述審査」の時に述べられた意気込みを、ぜひ達成いただき、今後の当協会の新しい力になっていただけますことを確信しております。」
新総括管理士の氏名・所属会社は以下の通りです。
第31期総括管理士(新規7名)
<ごみ焼却部門>
石宇 敦 :荏原環境プラント(株)
飯田 正樹 :JFE環境サービス(株)
長岡 一要 :神鋼環境メンテナンス(株)
武藤 寛信 :(株)タクマテクノス
太田 誠仁 :日鉄環境エネルギーソリューション(株)
梶山 博久 :日鉄環境エネルギーソリューション(株)
<浸出水部門>
菊地 正和 :クボタ環境エンジニアリング(株)
登録更新者(10期、13期、16期、18期、19期、22期、25期、28期)合計41名
・ごみ焼却部門 (33名) ・リサイクル部門 ( 2名)
・し尿・汚泥再生部門 (6名)
【﨑山会長の講評の要旨】
総括管理士認証式の後、﨑山会長より「当協会は、『会員相互の協力により環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営・作業管理の推進を通じて、公共事業の使命に寄与すること』を主とし、あわせて会員相互と運転維持管理業の健全な発展を期することを目的として、事業活動を行なっています。
皆様には、このことを今一度よく理解していただき、「現場総合力の向上を担う運転維持管理のエキスパート集団」として、指導者としての役割に期待するとともに、協会の事業活動を通じて活躍をしていただきたい。」との言葉がありました。
<﨑山会長の講評>
日 時: 令和5年2月20日(月)
場 所: 環維協会議室(Web会議併用)
出席者: 20名(日環センター:9名、環維協:11名)
日環センター(一般財団法人 日本環境衛生センター)と環維協とのごみ処理に関する技術交流会が、2月14日の水処理部門に引き続き開催されました。
環維協は会員会社6社、11名の参加者が集まり、環境衛生施設の最新の動向を知る貴重な機会とお互いの活動報告に続き情報交換・意見交換が活発に行われ、環境衛生施設の最新の動向を知る貴重な機会となりました。
1)議題
(1) 日環センターからの活動報告
① 精密機能検査業務の実施状況
② 長寿命化の総合計画の実施状況
③ PFI関連業務の実施状況
(2) 環維協からの報告
① 環維協の組織と活動概要
② 技術部会報告
③ 安全衛生部会報告
2)自由討議
(1) 日環センターに聞いてみたい
① 「プラスチックに係る資源循環の促進等」について
② コロナ禍以降、ごみの量、性状の変化について
③ DBO案件の電気代高騰について
④ カーボンニュートラルに関して
⑤ ごみ収集の状況の変化や、ごみ量削減の取組により、計画値と異なる数量を
受け入れている施設を有効活用するための設置届の変更について
⑥ 昨年末11月に交付金Q&Aの改正が行われたが、消防施設を急に対象内事業に
含めた背景について
⑦ 最近の価格高騰でスライド制による受注金額の交渉が発生していると聞くが、
制度内容について
⑧ 最近の新炉計画では地域循環共生事業を加味することが求められているが、
提案されている事例について
(2) 環維協に聞いてみたい
① プラスチック製容器包装の選別において様々な課題について
② 近年の物価高による運営事業(運転委託も含めて)への影響について
③ 物価高と関連して賃上げの動きも求められると思うが、作業従事者の賃金に
おいて考慮される動きについて
④ 新型コロナウイルス対策としてのマスクの着用などの緩和について
⑤ 運営の観点から、2050カーボンニュートラルに向けた取組が積極的になされ
ている事例について
⑥ 産業廃棄物処理施設における事故事例などがニュースで取り上げられることが
あるが、近年の事故の傾向などについて
日 時: 令和5年2月14日(火)
場 所: 環維協会議室(Web会議併用)
出席者: 13名(日環センター:4名、環維協:9名)
日環センター(一般財団法人 日本環境衛生センター)と環維協との水処理部門に関する技術交流会が、2月14日に開催されました。
環維協は会員会社6社、9名の参加者が集まり、環境衛生施設の最新の動向を知る貴重な機会とお互いの活動報告に続き情報交換・意見交換が活発に行われ、環境衛生施設の最新の動向を知る貴重な機会となりました。
1)議題
(1) 日環センターからの活動報告
① 精密機能検査業務の実施状況
② 長寿命化の総合計画の実施状況
③ PFI関連業務の実施状況
(2) 環維協からの報告
① 環維協の組織と活動概要
② 技術部会報告
③ 安全衛生部会報告
2)自由討議
(1) 日環センターに聞いてみたい
① 汚泥再生分野における2050年カーボンニュートラルの実現可能性について
② 「廃棄物処理施設の運転管理」にIT技術導入が進められる中、省人化について
③ 省人力化を図るうえでリモート(遠隔操作)による施設管理について
④ 国庫補助対象となる機器整備や基幹改良の事例や方法について
⑤ し尿・浄化槽汚泥を希釈して下水道放流している施設でノルマルヘキサン
濃度が大幅に増減するため希釈倍率を高めに設定せざるを得なくなっている。
対策としての油脂分除去装置などについて
⑥ 浄化槽汚泥の混入率が年々増加し、また搬入量が年々減少しているため、
汚濁負荷が低下している。寒冷地や冬季においての対策について
⑦ 基幹的整備においての二酸化炭素排出量の削減について
(2) 環維協に聞いてみたい
① 昨今の電力費高騰・物品類供給難の現状、見通し、対応策などについて
② 包括運転管理業務で実施した精算、契約変更等の事例について
地域や時代の多様な要請に積極的に応える環維協
一般社団法人
環境衛生施設維持管理業協会
代表理事会長 﨑山 芳行
新年明けましておめでとうございます。皆様には平素より環維協の諸活動に対しまして多大なるご理解とご支援を頂き、誠にありがとうございます。本年も「地域に根ざして、社会を支える環維協」として、協会活動を通じて培ってきた技術をもとに、日本の環境衛生施設の運転維持管理業の健全な発展、安定した維持管理に貢献していきたいと思います。
さて、近年大規模自然災害が多発しており、昨年も地震による災害が発生し、また台風や前線による豪雨災害も発生しました。さらには、新型コロナウイルス感染症も一昨年以上に猛威を振るいました。被災された方々、感染された方々に心よりお見舞い申し上げます。
廃棄物処理は、国民生活・国民経済の安定確保に必要不可欠な業務であり、事業の安定的な継続が求められております。会員会社の皆様も新型コロナウイルス感染症への対応にご苦労されていることと思います。環維協の活動においても、感染防止の観点から各種会合や視察等の中止や延期を余儀なくされておりますが、Web会議システムやEメールなどを利用して活動しております。
会員各社では、廃棄物処理の安定的な継続のため、維持管理事業所や本社・支店・支社の事務所での3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避け、手洗い消毒、マスク着用、咳エチケットの励行に努め、従業員の体調管理・確認を行うとともに、出張の延期・自粛、外部からの訪問者の制限・管理、各種イベントや宴会の延期・自粛、TV会議・Web会議の活用、テレワーク、在宅勤務、時差出勤、ローテーション勤務や最小人数による運転等々、感染防止に努められております。このような感染防止対応により、新型コロナウイルス感染症による中断もなく廃棄物処理が継続されております。
このような状況ではありますが、現在、環維協は加盟会社数が19社を数え、環境衛生施設の受託件数はごみ焼却施設・リサイクル処理施設・汚泥再生処理施設・浸出水処理施設などを合わせて全国に994か所、そこには約16,300人の加盟各社の運転員の方々が日々業務に携わっております。このように環維協は日本の環境衛生施設運営の重要な役割を担っており、施設の存在する各地域の生活にとってなくてはならない存在となっています。
環維協では、『地域に根ざして、社会を支える環維協 より時代に合った、より社会に開かれた活動を目差す』を活動方針とし、「現場総合力の更なる向上」を活動目標として掲げ推進しております。この現場総合力の基になる「操業技術力」、「安全衛生推進力」、「運営管理力」の3つの要素の実力を高め、広く地域社会に貢献していきます。そのために、技術部会と安全衛生部会の活動を中心として、他の部会とともに重点施策に取組んでいます。
重点施策である、「持続可能な社会づくりに向けた総合的な取組」として、環維協はSDGsの概念である「環境持続性」、「社会的包摂」、「経済の発展」の3項目を意識した取組を進めております。
また、環維協は、独自に認定しております環境施設総括管理士(総括管理士)を筆頭とする運転維持管理のエキスパート集団です。総括管理士は「運転管理のスペシャリストを養成し、施設の設計思想を十分理解した安全で安定した質の高い運転・維持管理を提供する」ための指導者として役割を果たすとともに、その役割を社会に広めることを目指しています。
次に、新型コロナウイルス感染症対応、事業所内の労務・人事問題、働き方改革、定年延長、障害者雇用・職場開拓等の調査・研究に取組むとともに、環維協の部会活動や、事業所において女性や障害者が活躍できる職場の開拓を推し進め、「より時代に合った環維協、より社会に開かれた環維協」を目指して活動をしております。
そして、事業所の最前線で活躍されている方を対象とした事業所管理者研修会では、会員会社の枠を超えた研修・グループディスカッション等を通じて、今後とも業界全体のレベルアップを図って参ります。さらに環維協における活動成果をホームページへの掲載や各種出版物への執筆や投稿を通じて社会に還元することを進めていきます。
環維協を取り巻く事業環境も変化してきています。環境衛生施設運営の受託契約では複数年契約や長期包括契約が増加し、新規の環境衛生施設市場でもDBO発注が増えるなど、変化してきています。
環境衛生施設に対する社会の要請も時代と共に変化しています。施設運営においても、エネルギー回収施設や資源化施設としての機能増強に対応するとともに、防災拠点として地域や時代の多様な要請にも積極的にかかわりを持ち、地域の関係者とも活動を推進しています。
ただ近年、電気・燃料などのエネルギーや資機材、人件費の高騰が顕著になっており、廃棄物処理に掛かる費用も増大しています。特にDBOなどの長期に亘る契約では、当初設定した単価ではこれらを調達することが困難となることもあり、発注者側の理解を得ながら適正価格への改訂をお願いしているところです。
地球温暖化の進行に伴って年々自然災害が大型化・多発化しておりますが、大規模自然災害が発生した場合においても、災害廃棄物を含め、安定的に廃棄物を処理していく必要があります。さらに環境衛生施設は地域の防災拠点の役割もあることから、我々の果たす役割は大きく増々重要になってきており、常日頃から災害に備えて参りたいと思います。このため、環維協が実施しております、「災害調査報告」と「JEMA(環維協)版BCP」の充実と積極的な活用を図るとともに、広く社会に活用してもらうために、その成果をホームページに掲載しています。
また、温暖化防止の観点からCO2排出量を減らすような施設の整備・運転管理も求められています。適切な維持管理を通しエネルギー使用量とCO2排出量の削減に努めます。
私たち環維協の活動には、関係省庁・地方公共団体をはじめ関係機関の皆様方のご支援が不可欠です。また、会員各社のご協力とご理解が欠かせません。本年も関係する皆様方の引続きのご指導、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
<令和4年度 安全衛生部会第2回全体会議>
日 時:令和4年12月8日(木)12時30分〜13時40分
場 所:神戸・三宮グランドビル 会議室
出席者:33名
会議では、部会長から第1回全体会議以降の協会全体の活動事項を報告がありました。
その後、調査・研修・関連部署の各グループ代表が報告しました。
調査グループからは、活動状況および活動予定の報告を、研修グループからは、優良事業所見学研修会の報告および危険体感研修の予定を、関連部署部ループからは、アンケート結果および事業所研修会でのパネルディスカッションの状況をそれぞれ報告しました。
(安全衛生部会 全体会議 全景) (笠原安全衛生部会長 挨拶)
<令和4年度 安全衛生部会第2回意見交換会>
日 時:令和4年12月8日(木)13時55分〜16時15分
場 所:神戸・三宮グランドビル 会議室
出席者:34名
関連部署グループから今年度に実施したアンケート「安全パトロールについて」、「重機災害・物損事故とその対策について」の報告を行いました。
「安全パトロールについて」 「重機災害・物損事故とその対策について」
安全衛生部会関連部署グループ 川重環境エンジニアリング(株)
山口 真一 様 及川 満 様
次に、研修グループから優良事業所見学として10月に実施した小諸市クリーンヒルこもろの研修会実施を報告し、来年2月に予定している危険体感研修実施計画について説明が行われました。
続いて、わが社の安全衛生活動と題して、会員会社2社の事業所で取組んでいる安全衛生活動が
紹介されました。
「わが社の安全衛生活動について」 「わが社の安全衛生活動について」
荏原環境プラント(株) (株)タクマテクノス
福島あらかわ管理事務所 福岡西事業所
副安全管理者兼班長 事業所所長
國分 孝一 様 吉岡 邦宏 様
各社の安全衛生活動の紹介の後、参加者から活発な質疑応答、意見交換が行われました。
最後に、稲田事務局長の挨拶があり、本年度の意見交換会を終了しました。
「第35回事業所管理者研修会」がアジュール竹芝で令和4年11月24日(木)、25日(金)の2日間にわたって開催された。今回は受講者を76名(ごみグループ65名、水グループ11名)に絞り、十分なコロナ対策を実施しての開催となった。
【1日目】
はじめに﨑山協会会長が開講挨拶を行った。﨑山会長は、「環維協の事業目的は『会員相互の協力により、環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営、作業管理の推進を通じて公共事業の使命に寄与すること』であり、本日出席の皆様にとって、この事業所管理者研修会が今後の活躍に役立ち、また、会社の垣根を越えた環維協の一員として視野と知識を広げ、技術の研鑽を図り、広く地域社会に貢献していただくことを期待する。」と激励された。
続いて稲田事務局長より環維協の組織と活動概要説明があり、1日目の全体研修が始まった。
<﨑山会長 開講挨拶> <全体研修>
(全体研修)
◆特別講演:最新の廃棄物処理動向(1)「自治体から見た廃棄物処理施設の運営・維持管理の状況と課題」
(公社)全国都市清掃会議 技術顧問 荒井 喜久雄氏
『ごみ処理施設の整備に向けた国の施策』から始まり、その施策対しての整備・運営の課題として、日本の人口の長期的減少・PFI等の新しい事業方式採用・プラスチック資源循環とカーボンニュートラルについて講演され、最後に受講者に対して『長は夢‐目標を語ろう。』との言葉で講演を締めくくられた。
◆特別講演:最新の廃棄物処理動向(2)「脱炭素社会を目指す政策への廃棄物処理の貢献」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業本部 特別参事 村岡 良介氏
地球温暖化の現状説明から始まり、いろいろな脱炭素社会を目指す政策および地球温暖化対策計画についてご説明された。その後廃棄物処理施設における脱炭素対策について省エネルギー対策を中心に事例を含めて講演された。
その後、青木広報部会長による協会誌である環境施設マネジメントと環維協のホームページについての紹介があり昼食休憩となった。
<荒井 喜久雄氏> <村岡 良介氏>
午後からは、ごみグループと水グループに分かれ専門技術講座、事業所紹介、ごみ処理・水処理Q&Aおよびグループディスカッションが行われ第1日目を終了した。
(ごみグループ)
専門技術講座(1):「減らないごみ処理施設の事故とリチウムイオン電池由来の発火・火災事故」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業第三部 部長 藤原 周史氏
平成30年度の廃棄物処理施設の事故(事例調査結果)についてご説明され、次に近年多発するリチウムイオン電池の発火・火災について、環境省の取り組み状況、各市町村のトラブル事例とその対応状況、新規施設(不燃・粗大ごみ処理施設)における安全対策等について講演された。
・事業所紹介:「新明和ウエステック(株) 寒川作業所」
新明和ウエステック(株) 統括所長 大山 啓介氏
寒川広域リサイクルセンターの事業概要および平成24年台風18号の経験から豪雨時の対応等、運営管理における各種取り組みについてご説明された。
(水グループ)
専門技術講座(1):「し尿処理・汚泥再生処理施設に係る現代の運転管理―豪雨災害(水害)を想定した運転管理対応―」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業第一部 次長 稲田 隆治氏
近年の代表的な自然災害による、施設の被害例をご説明の後、環境省廃棄物対策課水害廃棄物対策指針より、建物の浸水防止対策、災害時の職員行動基準、水害に対する運転管理対応等について講演された。
・事業所紹介:浅野アタカ(株) 亀山事業所」
浅野アタカ(株) 駒田 憲一氏
亀山市の紹介から始まり、亀山事業所の概要説明と事業所での安全衛生活動についてご説明された。
<藤原 周史氏> <稲田 隆治氏>
<大山 啓介氏> <駒田 憲一氏>
・ごみ処理Q&A・水処理Q&A
研修会受講者より出された質問に対しての回答説明が行われた。
・グループディスカッション
地域毎に12の班を編制して、自己紹介に続き1部は「今後の感染症対策」、2部は「事業所の課題など」をテーマに自由に討議を行った。
【2日目】
研修の2日目は、前日に引き続きごみグループと水グループに分かれ専門技術講座(2)から執り行われ、その後、専門技術講座(3)から全体研修となった。
(ごみグループ)
専門技術講座(2):「廃棄物処理施設における脱炭素への取り組み」
(一社)日本環境衛生施設工業会
日立造船(株) 環境事業本部 環境事業推進部 部長 田中 朝都氏
はじめに地球温暖化対策計画についてのご説明から、2050年カーボンニュートラルへの取り組みとして、熱利用(熱輸送)技術、二酸化炭素回収・利用技術、化学原料・化学品製造技術について、個々に今後の取り組み予定も含めご説明された。
(水グループ)
専門技術講座(2):「脱炭素社会実現を目指す政策への廃棄物処理の貢献(し尿処理施設の取り組み)」
(一社)日本環境衛生施設工業会
クボタ環境エンジニアリング(株) 水処理技術部 技術第一課 課長 佐藤 大悟氏
脱炭素社会実現に向けて廃棄物処理が与える影響から始まり、今後のし尿処理施設の取り組みとして、アンモニアセンサー、高効率散気装置、省エネ運転システム、エコ脱窒剤、脱水低含水率化等についてご説明され、最後に先端施設である『みやまバイオマスセンター』をご紹介された。
専門技術講座(3):「業務における感染症・衛生動物への対策」
(一財)日本環境衛生センター 環境生物・住環境部 部長 橋本 知幸氏
はじめに以前の熊本地震復興ボランティアに配布された感染症対策のリーフレットが紹介され、各種感染症での感染経路や病原体ついてご説明され、災害廃棄物対応時での注意事項等を講演された。
<田中 朝都氏> <佐藤 大悟氏>
<橋本 知幸氏>
午前の最後として石川技術部会長より環維協技術部会の活動紹介とその成果物の報告があり、午後から、労務・安全衛生管理についてのプログラムを催し、基調講演とパネル討論が行われた。
基調講演(1):「現場の人事・労務管理」
クボタ環境エンジニアリング(株) 総務部人事課 課長(社会保険労務士)熊谷 大氏
管理監督者を取り巻く環境変化の説明から、管理監督者として、どうあるべきかをご説明され、労務管理におけるよくあるトラブルの内容および防ぐための対応について講演された。
基調講演(2):「労働災害を防ぐために」
神鋼環境メンテナンス(株) 顧問(社会保険労務士) 茶園 幸子氏
いろいろな災害事例の紹介があり、これらの災害は人の特性(思い込み・近道行動等)によるものが多く、ヒヤリハット等を参考にし、「人の特性を踏まえた安全管理」を実施していくよう講演された。
基調講演に続いて「事業所のメンタルヘルス・高齢社員に対する対応」および「労働災害発生時の対応」を題材に、ゲストおよびパネラーに加え受講者の質問も交えて、モデレーターの進行によってパネルディスカッションが行われた。
<熊谷 大氏> <茶園 幸子氏>
<パネルディスカッション>
最後に石川技術部会長の閉会の挨拶および修了証の授与があった。
石川部会長は「研修内容は、技術講座のみならず、グループディスカッション・労務管理等普段聞けない内容にしました。皆さんの事業所運営に少しでも役立つように意図したものです。顧客にも今回の研修について誠実に報告していただきたい」と閉会の辞を述べた。続いて修了証を代表者に授与して、閉会とした。
<石川技術部会長 閉会挨拶> <修了証授与>
研修会の詳細については、「環境施設マネジメントNo75」(2023年3月発刊予定)に掲載しますので、一読ください。
11月17日にメルパルク大阪にて当協会の西日本地区懇談会・講演会が54人の参加を得て開催された。
この懇談会は当協会の委員会、部会の活動報告を協会役員ならびに主として西日本地区の会員に対して行うもので、毎年この時期に開催している。
新型コロナウイルス感染症の感染防止を考慮して、会場が密になることを避けるため参加者人数はコロナ前の75%にとどまっている。開催に当たり、参加者のマスク着用、手指のアルコール消毒の励行、1テーブル1名の配置、テーブルへのアクリル板の設置、会場の扉開放など3密の回避に努めて感染防止対策を行った。
懇談会の後には日本環境衛生センター 環境事業部 環境事業三部 部長 藤原 周史様による「資源循環を踏まえ脱炭素社会に向けた廃棄物処理」と題する講演が行なわれた。
例年、懇談会終了後の懇親会を開催し会員相互の親睦を図っていたが、昨年に続き新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、中止とさせていただいた。
安全衛生部会の安全衛生優良事業所見学・研修会が4年ぶりに開催されました。
1.開催日 令和4年10月20日(木)
2.見学施設 クリーンヒルこもろ(長野県小諸市)
3.参加人数 12社 24名
4.施設概要
(1)処理能力 : 24t/日 (24t/16h×1炉)
(2)炉形式 : 准連続燃焼式ストーカ炉
(3)竣工 : 平成27年12月
5.見学・研修内容
安全衛生部会として毎年実施している優良事業所見学・研修会ですが、過去3年は台風の影響やコロナ禍の影響で中止していました。今年度は4年ぶりに (株)川崎技研のグループ会社である「小諸グリーンサービス (株)」が運転維持管理業務を受託されているクリーンヒルこもろにて開催させていただきました。
まずはじめに、小諸市市民生活部生活環境課の五十嵐課長様から丁寧な歓迎のご挨拶をいただきました。その後、小諸事業所の中屋所長様から施設概要ならびに安全衛生管理の取り組みについて説明があり、そのなかで小諸事業所の安全衛生管理の方針として、「職場の安全は3Sから」との力強い説明がありました。また今日まで1,487日無災害記録を継続中であることも報告がありました。説明の後、3班に分かれて中屋所長様、武舎副所長様及び櫻井整備運転責任者様から説明をいただきながら施設見学させてもらいました。説明にたがわず、施設内は3Sがしっかり出来ており、優良事業所としての貫禄を感じました。
なお、当部会の優良事業所見学・研修会の際に必ず実施している安全祈願につきましては、小諸駅近くの小諸城址懐古園内の懐古神社にて、二礼二拍手一礼の作法で実施しました。
見学・研修をさせていただいたクリーンセンターこもろならびに関係者の皆さまには大変お世話になりましたことに改めて感謝申し上げます。