「第37回事業所管理者研修会」がアジュール竹芝で令和6年11月7日(木)、8日(金)の2日間にわたって、受講者91名(ごみグループ76名、水グループ15名)での開催となった。
【1日目】
はじめに近藤協会会長が開講挨拶を行った。近藤会長は、「環維協の事業目的は『会員相互の協力により、環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営、作業管理の推進を通じて公共事業の使命に寄与すること』であり、この事業所管理者研修会は会社の垣根を越えて各所属会社における指導者として、その能力のさらなる向上を目指して実施しており、各講義における貴重な情報を十分にご理解いただきたい。
また、当協会を取り巻く事業環境や社会要求は時々刻々と変化しており、時代、社会環境に即した「現場総合力」の更なる向上に寄与する情報をこの研修会で得て、各事業所における指導者としての能力を十二分に発揮し、広く地域社会に貢献して頂くことを切望する」と激励された。
続いて稲田事務局長より環維協の組織と活動概要説明があり、1日目の全体研修が始まった。
<第37回事業所管理者研修会 開講> <近藤会長 開講挨拶>
<全体研修>
特別講演 最新の廃棄物処理動向(1)
「自治体のごみ処理の現況と今後(広域化をめぐって)」
元(公社)全国都市清掃会議 技術顧問 荒井 喜久雄氏
「持続可能な処理体制の確保」「資源循環の確保」「脱炭素化」を達成するため、「広域化」が求められているという話から始まり、「市町村のごみ処理の現況」、「廃棄物処理の広域化向けた国の取組」、「広域化へ与える影響を与える要素」等をご説明され、最後に施設整備・運営の3本柱「安定性」「安全性」「効率性」に「持続可能な処理体制の確保」「資源循環の確保」「脱炭素化」の視点を付加していくことが必要であると締めくくられた。
特別講演 最新の廃棄物処理動向(2)
「プラスチック資源循環と脱炭素について」
(一財)日本環境衛生センター 環境工学第一部 次長 寺内 清修氏
プラスチック資源循環の背景として、プラスチックの問題点や気候変動問題があり、包括的に資源循環体制を強化するための廃棄物・資源循環分野の法律・計画等についてご説明された。次に、温室効果ガス排出削減技術の概要として、プラスチック類の分別収集・資源化、高温高圧ボイラによる高効率発電、CCS/CCUS技術等、およびこれらの施策による廃棄物処理施設への影響並びに課題ついて述べられ、今後は焼却施設の集約化(広域化)を進めることが課題となる、と講演を終えられた。
<荒井 喜久雄氏> <寺内 清修氏>
続いて、青木広報部会長より「広報部会のご案内」として、広報部会の活動内容、協会誌「環境施設マネジメント」の内容についての紹介があり、昼食休憩となった。
午後からは、ごみグループと水グループに分かれ専門技術講座、事業所紹介、ごみ処理・水処理Q&Aおよびグループディスカッションが行われ、1日目を終了した。
(ごみグループ)
専門技術講座(1):「ごみ処理施設の事故(リチウムイオン電池由来の発火・火災事故)」
(一財)日本環境衛生センター 環境工学第一部部長 理事 藤原 周史氏
近年、多発するリチウムイオン電池の発火・火災状況について、東京消防庁資料等によるご報告から、環境省からのリチウムイオン電池の適正処理についてご説明された。その後、市町村のトラブル事例とその対応状況と新規施設(不燃・粗大ごみ処理施設)における安全対策等についてご説明された。
・事業所紹介:「(株)川崎技研 山鹿事業所」
(株)川崎技研 所長 平川 茂幸氏
山鹿市の紹介から始まり、山鹿市環境センターの施設概要・設備概要・業務委託内容・AIごみクレーン等についてご説明された。
(水グループ)
専門技術講座(1):「し尿処理・汚泥再生処理施設に係る現代の運転管理〜社会情勢の変化への対応〜」
(一財)日本環境衛生センター 環境工学第二部 環境施設計画課 課長 小林 剛氏
運転管理に影響する要因として、社会的要因、物理的要因、経済的要因、その他要因があり、社会的要因としては、搬入条件の変化(質的・量的変動)、法改正等があり、その他各種要因について、具体的にご説明いただいた。
・事業所紹介:(株)日本管財環境サービス 浜松事業所」
(株)日本管財環境サービス 事業所長 三嶋 宏之氏
浜松市の紹介から始まり、東部衛生工場の概要説明と施設の特徴の紹介があり事業所での安全衛生活動等についてご説明された。
・ごみ処理Q&A・水処理Q&A
研修会受講者より出された質問に対しての回答説明が行われた。
・グループディスカッション
地域毎に12の班を編成して、自己紹介に続き1部は「大規模災害」、2部は「事業所の課題など」をテーマに自由に討議を行った。
<藤原 周史氏> <小林 剛氏>
<グループディスカッション> <グループディスカッション>
【2日目】
2日目は全体研修に始まり、安全衛生部会 関連部署グループの吉田幸弘氏が「環維協における熱中症の災害統計及び事例」と題し、2023年8月に実施したアンケート調査報告の報告をした。
専門技術講座(2):「熱中症のトピックスと対策について」
大塚製薬(株) 首都圏第一支店 課長 堀場 和夫氏
日本体育協会(現日本スポーツ協会)が熱中症の事故対策に関する研究班を設置され、大塚製薬も1992年よりこの活動に参加し、熱中症に関する啓発活動を実施してきた。今回もその活動の一環として、熱中症のトピックスや職場における熱中症対策について講演された。
専門技術講座(3):「熱中症対策〜ファン付きユニフォームのご紹介」
ミドリ安全(株) 高井 正博氏・十時 紳一郎氏
実演を含めてファン付きユニフォームの紹介がなされた。また、注意事項として、ファン付きユニフォームを長期保管する場合は、リチウムイオン電池の性能を維持するため、フル充電状態で保管するようにとの注意があった。
<堀場 和夫氏> <高井 正博氏・十時紳一郎氏>
午前の最後として石川技術部会長より環維協技術部会の活動紹介とその成果物の報告があり、午後から、労務・安全衛生管理についてのプログラムを催し、基調講演とパネル討論が行われた。
基調講演(1):「熱中症対策を通して考える職場の人事・労務管理」
(株)OHコンシェルジュ 代表取締役(産業医) 東川 麻子氏
熱中症対策のご説明の後、様々な部下の申し出に対する対応、また、申し出てこない部下への対応など事例を交えて講演された。
基調講演(2):「労働災害を防ぐために〜元労働基準監督官の経験と想いから〜」
神鋼環境メンテナンス(株) 顧問(社会保険労務士) 茶園 幸子氏
労働基準監督官の仕事についてのご説明から、災害事例を基に労働基準監督官からみた安全対策として、「人の特性を踏まえた安全管理」を実施していくよう講演された。
基調講演に続いて「事業所の労務様管理・安全管理」及びサブテーマとして「健康上の配慮が必要な従業員への対応」「労働災害発生時の対応について」を題材に、ゲストおよびパネラーに加え受講者の質問も交えて、モデレーターの進行によってパネルディスカッションが行われた。
<東川 麻子氏> <茶園 幸子氏>
<パネルディスカッション>
最後に石川技術部会長の閉会の挨拶および修了証の授与があった。
石川部会長は「事業所管理者研修会は技術部会の全力を挙げて安全衛生部会の協力を得て開催している。皆さんがこれを活かしていただいて後進の指導とか、お客様の対応とかに役立てていただければうれしく思っています」と閉会の辞を述べた。続いて修了証を代表者に授与して、閉会とした。
<石川技術部会長 閉会挨拶> <修了証授与>
研修会の詳細については、「環境施設マネジメントNo79」(2025年3月発刊予定)に掲載しますので、一読ください。
令和6年8月23日、協会機関誌『環境施設マネジメント』の人気企画である「維持管理第一線/現場訪問記」の取材のため、大阪産業大学デザイン工学部環境理工学科3年の大西航太さんが、大阪府の河内長野市衛生処理場を見学しました。
「維持管理第一線/現場訪問記」は、大学生が環境施設の維持管理の現場を訪れ、学生の視点から自由にレポートする企画です。
河内長野市衛生処理場は、河内長野市のし尿処理施設。膜分離高負荷脱窒素処理方式で市内のし尿・浄化槽汚泥を処理しています。
当日は施設の特徴についてお話を伺った後、実際に施設内を回り、受入貯留設備、主処理設備、高度処理設備、消毒設備、汚泥処理設備、脱臭設備を間近で見学させていただきました。同処理場では、下水道の普及などにより年々搬入量が減少するなかで試行錯誤を重ね、土日は運転休止に踏み切り、安全運転を続けています。また、トラブル事例をファイルにまとめるなど、日々の運転管理にも細やかな工夫が見られます。
自宅には下水道が通っており、浄化槽のことはほとんど知らなかったという大西さん。「実際にきれいになっていく処理水を見ながら説明していただき、わかりやすかった。トラブル対応の工夫が参考になった」と、手ごたえを感じていました。
【施設概要】
所在地: 大阪府河内長野市高向2092番地
竣工: 2001(平成13)年5月
処理方式:膜分離高負荷脱窒素処理方式
高度処理 膜分離+活性炭吸着
汚泥処理 遠心分離
消毒設備 紫外線滅菌
処理規模 36kL/d (平成25年改修後)
運転維持管理 月島ジェイテクノメンテサービス(株)
大西さんによる現場訪問記は、『環境施設マネジメント』79号(2025年3月発刊予定)に掲載します。
11月19日にホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンターにて当協会の西日本地区懇談会・講演会が63人の参加を得て、開催されました。
この懇談会は当協会の委員会、部会の活動報告を協会役員ならびに主として西日本地区の会員に対して行うもので、毎年この時期に開催しております。
懇談会の後には大阪産業大学 デザイン工学部 環境理工学部 准教授 花嶋 温子様による「多面的価値を創出する廃棄物処理施設−ごみ処理施設による環境教育−」と題する講演会が行なわれました。
懇談会および講演会の終了後の懇親会を開催し、花嶋准教授も参加され、会員相互の有意義な意見交換が行われました。
<大阪産業大学 デザイン工学部 環境理工学部 准教授 花嶋 温子 様>
今年度の第31回海外環境衛生施設の視察は、10月6日(日)〜12日(土)の7日間(ニース2泊、バルセロナ2泊、機内2泊)で、モナコ公国のスマモナコ廃棄物焼却発電プラント、スペインバルセロナのマレスメ統合廃棄物回収センター(廃棄物焼却発電施設とリサイクル施設(MBT施設))の2か所3施設を回る行程で実施しました。視察団は保延団長、山根副団長以下合せて11社16名に事務局1名を加え、17名の参加者となり、また現地は8日の午前を除き天気にも恵まれ、事故もなく、予定どおりの行程で視察を終え、帰国することができました。
視察の概要は以下のとおりです。(視察順)
1. スマモナコ廃棄物焼却発電プラント(SMA MNACO Weste-to-Energy Plant)/モナコ公国
運営会社はSMA(Société Monégasque d'Assainissement モナコ衛生会社)でSMEG(SociétéMonégasque del'Electricité et du Gazモナコ電力ガス会社/資本金61.05%保有)とモナコ公国(資本金23.31%保有)およびその他(資本金15.64%保有)からなる有限会社。モナコ公国はSMAに対し、その活動を実施するためにコンセッション(公共施設等運営権)を付与し、都市計画局を通じてその適用を監視している。SMAは1938年に設立され、3つの公共サービス(道路清掃、廃棄物収集、都市廃棄物および産業廃棄物の処理)を提供している有限会社で、社員数は会社全体としては300名で、本施設の勤務者は40名である。求人応募者は会社全体としては多いが、工場の運転員は技術者であり、技術者の募集をかけても応募者は少ない。
現在の焼却施設は、廃棄物発電プラントとしてはヨーロッパで3番目で、1980年に稼働し、年間80,000トンの廃棄物を焼却する能力がある。焼却施設の処理能力は110トン/日・炉×2炉で発電設備の能力は2,600Kwである。発電電力は施設の電力に使用され、余剰分は公共ネットワークを介して配電される。この供給量は、モナコ公国の公共照明の年間需要にほぼ対応している。蒸気はフォンヴィエイユ地区の公共および半公共の建物の暖房と冷房のために、2つの都市ネットワークによって分配される地域冷暖房施設へ供給されている。焼却処理に伴い発生する焼却灰はフランスへ送り、処理後高速道路の下層路盤材や埋め戻し材に使用されている。集じん灰もフランスへ送られ安定化処理後埋め立てられている。なお、現在の焼却施設では、モナコの廃棄物30,000トンと近隣自治体の廃棄物取集やリビエラ・フランセ共同体からの廃棄物15,000トンで、年間45,000トンの廃棄物を処理している。
廃棄物焼却処理施設はフォンヴィエイユ地区(新興地区)の中心部に位置し、隣接する建物との違和感を生じないような外観とし、外壁は防音材で覆われ騒音の放出を抑えている。煙突は建物と一体化し外観に配慮している。建物は耐震構造で、敷地面積はわずか1,500m²となっている。なお、現施設は稼働開始から40年過ぎているので、SMAは廃棄物処理・回収センターが建設される2030年まで、施設の寿命を延長し、適切な運転と安全性を確保するための作業を続けている。
現在、10年後の稼働開始を目指し、建替を検討している。建屋は高さ100mの高層ビルで、処理量は50,000〜60,000トン/年とし、リサイクル施設も併設される予定である。
また、SGEGとSMAは今後のモナコの廃棄物処理に関し「循環型・低炭素戦略」を公国に提案している。その内容は廃棄物発電所だけでなく、そのエネルギーを利用する都市部の冷暖房ネットワークとの新たな技術連携、この地域の建物に関するエネルギー政策の転換、廃棄物の回収・回収に関する新たな優先ルールなどが含まれている。その目的は、この地域の建物のエネルギー生産と工場建設に使用される資材の側面から、「循環型経済」に近づけることにあるとのこと。
【モナコ公国】国土面積 2.02Km²、人口 39,000人(2020年)、通貨 ユーロ、
地方行政区分:市町村のような地方公共団体はなく、4つの地区(カルティエ)に分けられている。
・モナコ市街地区(宮殿・政府のある中信地区で、事実上の首都)
・モンテカルロ地区(カジノリゾート地区)
・ラ・コンダミーヌ地区(湾岸地区)
・フォンヴェイユ地区(新興地区) 視察先施設のある地域
廃棄物焼却発電プラント
PCI 燃料廃棄物 2,400kcal/kg 年間処埋能カ 80,000t/年
炉 数 2基 焼却方式 逆作動式火格子
焼却能力 4.6t/h・炉 ボイラ蒸気発生量 13t/h×2炉
蒸気圧 蒸気温度
ボイラ— 33.6 バールー ボイラー 242℃
過熱器 28.5 バールー 過熱器 300℃
排ガス処理システム
ダスト除去/HCL・SOX除去 電気集じん器/湿式ヒュームスクラバー・ガススクラバー
脱硝 SCR(Selective catalytic Reduction)脱硝
蒸気復水器の種類 空冷コンデンサー(圧力1.4バールabs)
発電電機出力 2,600kW
2. マレスメ統合廃棄物回収センター/スペイン バルセロナ
(Centre Integral de Valorització de Residus del Maresme:マレスメインテグラルセンター)
マレスメインテグラルセンター(マレスメ統合廃棄物回収センター)は、カタルーニャ州政府が資金提供し、コンソーシアムが保有者となっている。コンソーシアムはマレスメ地域の都市廃棄物の管理と処理のために設立された行政機関であり、現在はマタロ市の公共部門に所属している。同センターは入札によりコンセッション(公共施設等運営権)を保有しているUTE TEM((Tratamientos Eco16gicos del Maresme合弁会社、コンセッション期間2010年1月1日から15年間)、がコンソーシアムの監督のもと運営を行っておりマレスメとヴァレスオリエンタル地域の約100万人の住民にサービスを提供している。
30年前のカタルーニャ州では、廃棄物はリサイクルもされず1,800箇所で埋立処分を行っており、総合的な廃棄物管理も行われていなかった。その後州政府内に環境省やARC(カタルーニャ廃棄物局)が創設され、州内の廃棄物処理方針をまとめ廃棄物の全てを管理している。なお現在、焼却処理施設はスペイン国内に10施設ありそのうち4施設がカタールニア州内に設置されており、すべてにMBT施設が併設されている。
カタルーニャ州およびマレスメ市の廃棄物処理戦略はリユースを第1とし、戸別取集を含む分別収集された粗大廃棄物の修理、清掃、コンデショニングなどのリメイクを行い中古品としてショップで販売・再使用し、廃棄物の量を減らすことにある。次に分別収集されるガラス、容器包装材、紙、段ボールは移送ステーションを経由して各々のリサイクル対応施設へ送りマテリアルリサイクルを行う。有機系廃棄物(厨芥、伐採材など)は堆肥化や有機物安定化を行う施設で堆肥や安定化有機物を製造する他、バイオメタン化施設へ送られバイオメタンを生成・精製しガスエンジン発電機の燃料として使用する。また、リユースできなかった粗大廃棄物はリサイクル可能な部材・材料を可能な限り最大限に分離し原材料としてリサイクルする。残りのものを廃棄物発電プラントにて焼却処理しエネルギー回収をおこない、埋立処分量を最小とするとしている。2011年には環境税を導入し埋立処理量の低減を図るとともに、環境インフラ等の資金として使われている。現在の環境税はごみトン当たり、埋立65.3€、焼却32.2€、リサイクル0€である。
既存のPlanta de Reciclatge i Compostatge(リサイクル・堆肥化プラント)と新しく建設されたPlantaIncineradora(焼却工場)の組み合わせは、Centre Integral de Valorització de Residus del Maresme(マレスメ統合廃棄物回収センター)と呼ばれ、1994年11月12日にオープンした。
マレスメインテグラルセンターには、まだ回収可能な材料を含む混合廃棄物等のMBTプラント、ソファや家具等の粗大廃棄物処理ライン、分別収集された有機性廃棄物、ガラス、容器包装材、紙と段ボールの移送ステーション、およびエネルギー回収施設(改良済)など、廃棄物処理のための様々な施設が含まれている。
センターでは マレスメ地域とヴァレス・オリエンタル地域から 年間19万トン以上の残留廃棄物を処理しており、有機物を含むすべてのリサイクル可能な製品からの材料の回収を優先し2023年には20,300トンの材料を回収した。その残りの廃棄物は、廃棄物発電プラントで最適なエネルギー回収をしている。
なお、MBT施設で生成された安定化有機物は、焼却施設の処理能力の関係で焼却処理はせず埋め立て処分されている。
マレスメインテグラルセンター:エネルギ一回収プラント(廃棄物焼却発電プラント)
PCI 燃料廃棄物 2,800kcal/kg 受託託契約処埋能カ 140,000t/年
ライン数 2 系列 燃焼システム 逆作動式火格子
ユニット熱容置 24,000,000kca l/h ユニット機械容量(PCI 2,800 kcal/kg) 8.57t/h
ユニット蒸気発生量 30.2t/h
蒸気圧 蒸気温度
ボイラ— 67 バールー ボイラー 283℃
過熱器 62.5 バールー 過熱器 385℃
タービン 61 バールー タービン 380℃
蒸気復水器の種類 空冷コンデンサー 発電電カ量 13.55 MW(11.25 MW+2.3 MW)
エネルギ一生産量 115,000 MWh/年 エネルギー自家消費量 30,000 MWh/年
売電量 85,000 MWh/年 電力エネルギー発生率 820 kWh/tMSW
排ガス処理システム
脱硝 尿素を用いた無触媒脱硝 SNCR(Selective non-catalytic reduction)タイプ
HCL・SOX除去 セミドライアブソ ーパー ドライコンタクトリアクター
水銀・炭化水素類除去 活性炭注入
ダスト除去 ファブリックフィルター
脱硝 NOx 低減アンモニアを含む NOx 還元型SCR(Selective catalytic Reduction)タイプ
マレスメインテグラルセンター:MBTプラント(リサイクル処理プラント)
処理能力:190,000トン/年 稼働日数:249日/年 シフト最大時間能力:2.30 トン/h
稼働時問:平日15時間/日 7.5時間/日士躍日
材料回収効率(紙、ガラス、金属、プラスチックなど): 8.5%
回収された有機物(MOR): 40% 燃料(可燃性)廃棄物:55%
全ての視察先で、事業の成り立ち、操業体制、今後の展開等について熱心に説明があり、また質疑応答や施設見学に対応していただきました。それぞれ異なる事業主体での処理体制を視察し、その背景や考え方を知ることができ、日本との違いを含めて、今後の業務を進めていく上で、おおいに参考となる有意義な視察となりました。
視察の詳細は当協会の機関誌「環境施設マネジメント」79号(来年3月発行予定)に掲載する予定です。ぜひご一読いただければと思います。
スマモナコ廃棄物焼却発電所 スマモナコ廃棄物焼却発電所
集合写真 説明風景
スマモナコ廃棄物焼却発電所 スマモナコ廃棄物焼却発電所
説明風景 現場視察風景(中央制御室)
スマモナコ廃棄物焼却発電所 スマモナコ廃棄物焼却発電所
現場視察風景 近隣の風景
マレスメインテグラルセンター マレスメインテグラルセンター
集合写真 説明風景
マレスメインテグラルセンター マレスメインテグラルセンター
説明風景 マタロ市長から挨拶 現場視察風景
マレスメインテグラルセンター マレスメインテグラルセンター
廃棄物焼却発電プラント現場視察風景 中央制御室視察風景
2024(令和6)年10月17日に広報部会の全体会議を、神戸市の三宮グランドビル会議室にて開催いたしました。
当日は、稲田事務局長をはじめとして18名が参加(内1名はWEB参加)し、環境施設マネジメント誌79号、80号、81号の企画内容について協議いたしました。
広報部会参加各社において興味を持たれている事象や、我々の業界を取り巻く諸問題について記事として取り上げるべく、その内容や執筆依頼先など建設的に意見交換を行いました。
広報部会全体会議の後半では、神鋼環境メンテナンス(株)茶園顧問にご参加いただき、「指示の正しい伝え方」というタイトルで講義をしていただきました。
普段何気なく社内で我々が発している言葉や文章が、いかに独りよがりのものであるのか、痛感させられました。
また、発した情報が人の記憶に残るには、何が大事なのか、そして何が必要なのか、とても考えさせられるお話でした。
茶園顧問には協会誌『環境施設マネジメント』に、2020(令和6)年9月発行の70号より「ちょっと一息 こころとからだの交差点」というタイトルで連載をお願いしており、今号(79号)で連載10回を迎えます。
今回、改めてメンバー全員にて各号でご教示いただいた内容を振り返り、こちらでも活発な意見交換を行いました。
最後になりましたが、全体会議開催にあたり、会場準備等にご尽力いただきました神鋼環境メンテナンス(株)の関係者の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
環維協の機関誌『環境施設マネジメント』78号を、2024年9月17日(火)に発行いたしました。
「巻頭言」は、日本廃棄物団体連合会会長・(公財)日本産業廃棄物処理振興センター理事長の関荘一郎氏に「資源循環の新たな時代の幕開け」と題してご執筆いただきました。
「The Voice」コーナーでは、船橋市環境部資源循環課施設係の井上慎悟氏にインタビューし、船橋市北部清掃工場について伺いました。
「現場訪問記」では、大阪産業大学の合田旭さんが浜松市西部清掃工場を訪問し、レポートしています。
定例の「維持管理技術講座」「現場からのレポート」なども充実しています。
『環境施設マネジメント』は、協会会員以外の方にもご購入いただけます。
詳細は当協会WEBの「出版物一般案内」をご覧ください。
2024年度の環境施設総括管理士資格認定研修会が9月5日、6日の両日、新規申請者11名(ごみ焼却9名、リサイクル1名、汚泥再生1名)、登録更新申請者30名、再開申請者1名、個人特別会員5名 その他審査委員、協会関係者を含め総勢約60名が参加してアジュール竹芝で開催されました。
近藤会長から、「環境衛生施設維持管理業協会は、廃棄物処理施設の運転維持管理会社の事業団体"として1985年4月に設立されました。現在、当協会は、加盟会社20社、受託事業所は合計1,088ヶ所に及び、そこには17,500人の加盟各社の運転員の方々が日々業務に携わっており、ますます社会で重要な役割を担っています。
当協会の事業目的は会員相互の協力により、環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営・作業管理の推進を通じて公共事業の使命に寄与することです。この目的達成のために、『操業技術力』、『安全衛生推進力』、『運営管理力』の3つの要素からなる『現場総合力』の更なる向上を目標とし、広く社会に貢献していく活動に取組んでおります。
1992年11月に設立しました「環境施設総括管理士制度」は、この事業目的、目標を達成するための事業活動の一つとして設立したものです。総括管理士には、運転維持管理のエキスパート集団の筆頭として、運転管理のスペシャリストを養成し、施設の設計思想を十分理解した、安全で安定した質の高い運転・維持管理を提供するための指導者としての役割を果たすとともに、その役割を広く社会に広めることを期待しています。
そのためにも、総括管理士の方々は協会内の総括管理士会に所属して頂き、技術部会、安全衛生部会の部会活動に積極的にご参加頂くとともに、事業所管理者研修会を中心とする研修活動、各種講習会へ の講師派遣等の教育活動、各種技術講座への出版による広報活動、各種団体との交流活動を行っていただきます。又、各所属会社においても指導者として、事業所の安全・安定操業と適正な運営・維持管理能力向上を図り、環境衛生事業の推進、発展に寄与するよう活動していただきたいと考えています。
さらに、当協会を取巻く事業環境や社会要求は時々刻々変化してきております。
施設運営の受託契約では複数年契約や長期包括契約あるいはDBO契約が増加しており、さらには環境衛生施設におけるエネルギー回収や資源化に対する機能増強、施設の自動化・遠隔監視・省力化への対応も必要となってきています。このため、このような変化に即した施設運営や運転・維持管理に関する技能の向上が求められてきています。
加えて、近年の自然災害の多発に備えるため、地域の防災拠点としての役割も期待されており、これを実現するべく地域の関係者と協力した活動が必要になってきています。
そのためにも、この研修会を通じて総括管理士の指導者としての役割、活動をご理解頂き、会社の垣根を越えた活動により、視野と知識を広げ、技術の研鑽を図ることで、これから広く地域社会に貢献して頂くことを祈念しております。」との挨拶がありました。
環境省、廃棄物関連法人などから著名な方々を講師に招き、最新の環境行政、資源循環を踏まえ脱炭素社会に向けた展望と課題、廃プラスチック問題とその対応および安全衛生管理など多くの貴重な講義をいただき、総括管理士としての重要な役割を認識するとともに、廃棄物処理に関する最新の情報を得る貴重な2日間でありました。
最後に、保延資格審査委員長から、「環境施設維持管理業協会の活動目標は『現場総合力の 更なる向上』であり、『操業技術力』、『安全衛生推進力』および『運営管理力』の3つの要素の実力を高め、広く地域社会に貢献するために活動を行っている。この目標を達成するための施策 の一つとして『環境施設総括管理士を筆頭とする運転維持管理のエキスパート集団として事業を発展していく。』とうたっており、総括管理士各位には「現場総合力の向上」のための指導者として事業所の安全・安定操業と適正な運営・維持管理能力向上をを図るとともに、環境衛生事業の推進、発展に寄与することを期待されている。」との激励のメッセージがあり研修会を終了しました。
新規申請者は、今後、論文審査、口述審査を経て、2025年1月の理事会で正式に承認された後、新総括管理士として登録される予定です。
ちなみに、今回の資格認定研修会の講師とテーマは以下の通りです。
・「環維協の概要および総括管理士の役割」
当協会 環境施設総括管理士会 代表 川端 保宏氏
・「運転管理会社としての安全衛生対策」
当協会 安全衛生部会 部会長 井上 雅裕氏
・「最近の廃棄物・リサイクル行政の動向について」
環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課
課長補佐 勝見 潤子氏
・「自治体のごみ処理の現況と今後(広域化をめぐって)」
元(公社)全国都市清掃会議 荒井 喜久雄氏
・「自治体から見た廃棄物処理施設の運営・維持管理の状況と課題」
(公社)全国都市清掃会議 技術部長 八鍬 浩氏
・「資源循環を踏まえ脱炭素社会に向けたごみ処理の今後の展望と課題」
(一財)日本環境衛生センター 環境工学第一部長
理事 藤原 周史氏
・「し尿処理・汚泥再生処理施設に係る現代の運転管理
−社会情勢の変化に対応した運転管理-」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業本部環境事業第二部
次長 岡崎 貴之氏
・「し尿処理・汚泥再生処理施設に係る現代の運転管理
−今後の施設運営に求められる視点−」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業本部環境事業第二部
部長 稲田 隆治氏
・「サ−キュラーエコノミーを基調とした日本型都市ごみ処理システムとは」
(国研)国立環境研究所 フェロー 大迫 政浩氏
・「環境上適正な水銀管理について」
京都大学大学院 工学研究科 都市環境工学専攻
教授 高岡 昌輝氏
・「廃プラスチック問題とその対応」
(株)廃棄物工学研究所 代表
岡山大学 名誉教授 田中 勝氏
認定研修会
近藤哲也会長 開会挨拶 環境省 課長補佐 勝見潤子氏
元全都清 荒井喜久雄氏 全都清 技術部長 八鍬浩氏
日本環境衛生センター 理事 藤原周史氏 日本環境衛生センター 次長 岡崎貴之氏
日本環境衛生センター 部長 稲田隆治氏 国立環境研究所 フェロー 大迫政浩氏
京都大学大学院 教授 高岡昌輝氏 廃棄物工学研究所 代表 田中勝氏
・日 時 7月17日(水) 10:00〜11:25(技術部会全体会議)
10:20〜11:25(安全衛生部会全体会議)
13:15〜17:15(合同意見交換会)
・場 所 東京グランドホテル
・出席者 技術部会 31名 安全衛生部会 36名
合同意見交換会 70名
午前中の「全体会議」では技術部会、安全衛生部会の基本方針と各活動グループから2024年度の活動計画について報告がありました。
午後に開催された「総括管理士会・技術部会・安全衛生部会 合同意見交換会」では川端総括管理士会代表、石川技術部会長および井上安全衛生部会長からそれぞれ2023年度の活動実績と2024年度の活動計画の報告がありました。
技術部会からのトピックスとして「日本環境衛生施設工業会との技術交流会報告」および「施設見学研修報告」が施設調査・関連団体グループ代表からあり、石川技術部会長から「環維協活性化について」に関して講演が行われました。
安全衛生部会からは「熱中症対策について」大塚製薬(株)から報告されました。
次に、Hitz環境サービス(株)および極東サービスエンジニアリング(株)からそれぞれ「わが社の安全衛生活動」の報告がありました。
続いて、「2023年災害調査報告」に関して神鳥副部会長(調査グループ代表)から報告が行われました。
両部会長および総括管理士会代表の講評の後、意見交換会を終了しました。
合同意見交換会終了後、懇親会の開催となり、親交を深めました。
合同意見交換会
石川技術部会長 井上安全衛生部会長
川端総括管理士会代表
わが社の安全衛生活動① わが社の安全衛生活動②
Hitz環境サービス(株) 和田様 極東サービスエンジニアリング(株)安村様
一般社団法人環境衛生施設維持管理業協会の第十五回通常総会が7月5日(金) 14時40分から、東京都港区の芝パークホテルにて開催されました。
近藤会長から「環維協では、『地域に根ざして、社会を支える環維協、より時代に合った、より社会に開かれた活動を目差す』の活動方針の元、「現場総合力の更なる向上」を目標に、「操業技術力」、「安全衛生推進力」、「運営管理力」の3つの要素の実力向上に取組んでおります。
一昨年来、当協会を取り巻く事業環境においても、エネルギー価格高騰や著しい円安による物価上昇、働き手不足による雇用状況の悪化等による影響が大きく、会員各社に置かれましても、この「現場総合力」の実力向上には非常に苦労されているところです。
このような状況ではありますが、昨年、当協会は新たなメンバーを迎え、加盟会社は20社となりました。環境衛生施設の受託件数は、ごみ焼却施設・リサイクル処理施設・汚泥再生処理施設などを合わせて全国に1,088施設、そこには17,500人の運転員の方々が日々業務に携わっております。
この数値を見るだけでも、当協会の活動が日本の環境衛生施設の運営・維持管理における重要な役割を担っていること、各地域の市民生活に欠かせない存在となっていることがご理解頂けるものと思います。今後とも関係する皆様方の引続きのご指導、ご鞭撻よろしくお願いいたします。」と挨拶があり、引き続き議事に入りました。
議事では令和5年度の事業報告・決算および令和6年度の事業計画・予算が原案どおり可決承認されました。続いて現理事11名のうち1名が辞任されるため、あらためて理事1名が選任されました。
代表理事および副会長については、近藤会長と小武海副会長および石川副会長が留任され、新しく選任された理事を含めて理事11名と監事1名の体制となりました。
その後、貢献者表彰に移り、貢献者6名に近藤会長より感謝状と記念品が手渡されました。
講演会では株式会社 廃棄物工学研究所 代表の田中勝様から『脱炭素や循環経済を考慮した住民主体のごみ処理』と題して貴重な講演をいただきました。
18時からは懇親会になり、環境省 環境再生・資源循環局次長の角倉一郎様からご祝辞をいただき、岡山大学 名誉教授の田中勝先生にご挨拶をいただきました。
引き続き、日本廃棄物団体連合会の会長で、公益法人日本産業廃棄物処理振興センター理事長の関壮一郎様からご挨拶をいただきました。
次に、一般財団法人 日本環境衛生センター南川秀樹理事長(日本廃棄物団体連合会副会長)、のご発声で乾杯、懇談となりました。その後、盛会裡に散会となりました。
環維協技術部会では先進技術あるいは特徴的な技術を取り入れた廃棄物処理施設の見学研修会を実施しており、「令和6年度技術部会施設見学研修会」を下記のとおり開催しました。
1. 開催日:令和6年6月7日(金)
2. 見学施設
1) し尿処理施設
住所:〒010-1601 秋田市向浜一丁目13番1号
施設名:秋田市汚泥再生処理センター
2) ごみ処理施設
住所:〒019-2614 秋田市河辺豊成字虚空蔵大台滝1番地1
施設名:秋田市総合環境センター溶融施設
3. 参加者数
1) し尿処理施設 27名
2) ごみ処理施設 27名
4. 施設および研修概要
1) 秋田市汚泥再生処理センター
処理方式:固液分離・希釈放流方式
処理能力:175kL/日
【研修概要】
秋田市汚泥再生処理センターは、搬入される浄化槽汚泥やし尿を効率的に処理し汚泥を助燃剤化し、生成された助燃剤は秋田市総合環境センターに運ばれ燃焼効率を上げる為に使用されており、見事に秋田市内で資源の有効利用のサイクルが出来上がっていると感じました。
はじめに、2階事務所にてビデオとスライドにて施設概要のご説明していただき質疑応答の後に受入室、資源化設備、脱臭設備を見学させていただきました。
施設内は清掃が行き届いており衛生的な印象を持ちました。さらに施設内で臭気を感じることはなく、一番臭気が発生する受入室でも殆ど臭気を感じることはありませんでした。汚い物を扱う施設だからこそ衛生的にし、市民からの印象を良くするのも大切だと感じました。
<施設を説明していただきました敦賀技師> <汚泥脱水機を見学する参加者>
2) 秋田市総合環境センター溶融施設
処理能力:460t/24Hr(230t×2炉)
処理方式:シャフト炉式ガス化溶融炉
発電能力:8,500kW
【研修概要】
秋田市総合環境センター溶融施設は、家庭ごみに加え、汚泥、リサイクルプラザから発生する残渣を溶融処理により再資源化可能な溶融物(スラグ・メタル)として最終処分量を極小化する施設で、平成14年3月に処理能力400t/d(200t×2炉)で竣工し、平成23年度に460t/dに能力増強工事が行われておりました。
溶融処理の過程で発生するエネルギーを熱・電力として回収し、場内熱利用及び売電を行い有効活用されておりました。また、秋田市総合環境センター内の一般廃棄物最終処分場跡地にはソーラー発電設備が設置されており、有効的な跡地利用がなされておりました。
5. おわりに
今回、施設見学研修を開催させていた頂いた秋田市は、「住みたい田舎ベストランキング」の若者世代・単身者部門で2年連続全国1位、その他の部門でも上位にランキングする都市であり、駅前は緑の芝生に覆われた広場になっており初めて目にする空間でありました。
施説見学研修会では秋田市の2施設で直接見聞きし大変有意義な施設見学研修会となりました。本報告は協会誌「環境施設マネジメント」78号に掲載予定です。
恒例行事である(一社)日本環境衛生施設工業会(JEFMA)と(一社)環境衛生施設維持管理業協会(JEMA)との技術交流会(廃棄物処理施設維持管理検討会)が令和6年6月20日に航空会館にて開催されました。
出席者は、JEFMA13名、JEMA16名の合計29名でした。
会議は、日本環境衛生施設工業会の野口事務長の挨拶で始まり、引き続きJEMAからの活動報告、JEFMAからの活動報告そして自由討議の順で進みました。
JEMAからの活動報告では稲田事務局長より、環維協の活動概要について説明があり、引き続き石川技術部会長より、技術部会の役割と活動方針、組織および活動報告がありました。最後に井上安全衛生部会長から安全衛生部会活動について説明を行いました。
JEFMAからは、技術委員会の横山委員長より、技術委員会の活動報告およびトピックスの報告をいただきました。トピックスの項目は以下のとおりです。
1.循環交付金制度の改訂(環境省)
2.大防法改正(水銀計測方法)
自由討議ではそれぞれの説明内容の質疑応答や「二酸化炭素の削減」、「焼却プラントの2系列、3系列の構成について」、「排ガス基準値の緩和について」、「施設建設コスト削減」、「プラットホームでの作業性向上」、「運転員の巡回点検回数の削減と監視カメラについて」、「煙突の位置」および「プラントの清潔性」などに関する活発な意見交換が行われ、有意義な交流会となりました。
この会議が、関係各社間の情報の共有化はもとより会員会社内で現場総合力の向上に向けた活動につながりますように期待しております。
<技術交流会全景>
JEFMA 野口事務長 挨拶 JEFMA 技術委員会 横山委員長
JEMA 石川技術部会長 JEMA 井上安全衛生部会長
令和6年3月14日、協会機関誌『環境施設マネジメント』の人気企画である「維持管理第一線/現場訪問記」の取材のため、大阪産業大学デザイン工学部環境理工学科4年の合田旭さんが、静岡県浜松市の浜松市西部清掃工場を見学しました。
「維持管理第一線/現場訪問記」は、大学生が環境施設の維持管理の現場を訪れ、学生の視点から自由にレポートする企画です。
浜松市西部清掃工場は、浜松市の一般廃棄物処理施設。キルン式ガス化溶融炉で高効率の発電を実現しているほか、隣接する古橋廣之進記念浜松市総合水泳場「ToBiO」に電気と蒸気を供給しています。マテリアルリサイクルとしては、ミックスメタル、溶融スラグ、排ガスから回収して精製した精製塩を再生利用しています。施設内には環境啓発施設「えこはま」を併設しており、市内の環境啓発の拠点として日々活発な活動を展開しています。
当日は施設の特徴についてお話を伺った後、実際に施設内を回り、熱分解ドラムが稼働しているところなどを間近で見学させていただきました。
元々、プラスチックごみを食べたウミガメの動画がきっかけで環境問題に興味を持ったという合田さん。西部清掃工場の近くはアカウミガメの産卵地となっていると知り、当日、急遽篠原海岸のごみ拾いも体験させていただきました。
さらに「ToBiO」では館長に広い施設内をご案内いただき、水泳場のモニターで清掃工場の発電量などをリアルタイムで確認できる様子を見ることができました。
【施設概要】
所在地: 静岡県浜松市中央区篠原町26098-1
竣工: 2009(平成21)年1月31日
処理能力: 494.7t/d(164.9t/24h×3炉)
処理方式:キルン式ガス化溶融炉
発電機出力:9,600kW
合田さんによる現場訪問記は、『環境施設マネジメント』78号(2024年9月発刊予定)に掲載します。
日 時:令和6年5月15日(水)
場 所:環維協会議室(Web会議併用)
出席者:20名 日環センター:7名、環維協:13名(内Web参加2名)
日環センター(一般財団法人 日本環境衛生センター)と環維協との水処理部門に関する技術交流会が、5月15日に開催されました。
環維協は会員会社7社、13名の参加者が集まり、環境衛生施設の最新の動向を知る貴重な機会とお互いの活動報告に続き情報交換・意見交換が活発に行われました。
1)議 題
(1)日環センターからの活動報告
① 精密機能検査業務の実施状況
② 長寿命化の総合計画の実施状況
③ PFI関連業務の実施状況
(2)環維協からの報告
① 環維協の組織と活動概要
② 技術部会報告
③ 安全衛生部会報告
2)自由討議
(1)日環センターに聞いてみたい
①地震などによる災害が増加しているが、汚泥再生センターの役割や活用方法などの新しい知見があれば教えてください。具体的な活用事例などはありますか。
一般の方への情報提供の具体例があれば教えてください。
② 長期包括契約の際に、インフレスライドの指標としては何を採用することが多いでしょうか(人件費、電気料金、燃料費、薬品費)?
また、基準月に対して変動の率を「±何%以上」とする契約が多いのでしょうか。
③ 2019年12月に「水質汚濁防止法第3条第3項の排水基準に関する条例」が改正され、播磨灘と大阪湾西部の沿岸域の下水道終末処理施設の規制緩和により排水基準が見直されましたが、今後は他の地域の規制緩和(条例等の見直し)も進むのでしょうか。また、し尿処理施設において、貧栄養化対策として栄養塩供給に取り組んでいる施設等あるのでしょうか。
(2)環維協に聞いてみたい
① インフラ長寿命化計画に基づき、自治体において個別施設ごとの長寿命化計画(施設保全計画)を策定することになっていますが、施設保全計画を自治体から策定依頼された事例はありますでしょうか。
② 運転管理委託されている施設の地域において災害が発生した場合、災害時の対応に要した費用は、自治体から支払われているのでしょうか。
③ 就職活動が売り手市場となり、賃金上昇も求められています。当センターにおいても若手職員の流動化がありますが、施設の委託管理において、現場職員の確保(特に1年以上の長期契約のケース等)に苦慮する状況はありませんでしょうか。また、採用職員の教育はどのように行っているでしょうか(本社or現場、等)
④ 最終処分場(浸出水処理施設)の管理業務について、以下の事項をご教示ください。
・業務委託の動向
・業務形態(最終処分場一括or浸出水処理施設のみ)
・レベル3の包括委託の実績
・最近の異常気象(集中豪雨)等で、苦慮している事例、等
⑤ 現在の諸情勢を勘案し、将来的に長期包括契約を推進するために改善や対応が必要と感じられている事項がありましたらご教示ください(実効的な清算手法やリスク管理、計画運用上の課題等)。
⑥ し尿中継所の管理実績、中継所に関係する業務の受託実績はあるでしょうか。
2024年度「環境施設総括管理士」新規申請者の募集を開始しました。
同時に3年毎の登録更新者の更新手続きも受付を開始しました。
一般社団法人 環境衛生施設維持管理業協会(略称、環維協)では2024年度の「環境施設総括管理士」新規申請者および登録更新者の募集を2024年5月17日に開始いたしました。応募締切は6月7日です。
新規応募者はこのあと、論文作成要領説明会(7月16日開催)、資格認定研修会(9月5日,6日開催)、論文審査(論文は9月24日締切)および口述審査(12月4日,5日開催)を経て、2025年1月の理事会で正式に認定されます。
この環境施設総括管理士は、環境衛生施設の運転・維持管理における最上位に位置する資格と自負しており、特に論文作成には廃棄物処理施設の計画・設計から運転維持管理までの幅広い知識が必要とされます。
応募資格は環維協の会員会社に在籍し、廃棄物処理に関する技術上の業務に申請時に10年以上の経験を有し、技術士または一般財団法人日本環境衛生センターの「廃棄物処理施設技術管理士」の資格を取得したもので、環境施設総括管理士認定後に配属される技術部会・安全衛生部会での部会活動に参画できることなどを条件としています。
多くの応募を期待しております。
応募の詳細は会員各社の協会窓口担当者へ送信しましたそれぞれの募集要項をご参照下さい。
・新規応募者の方…2024年度環境施設総括管理士 新規募集
・登録更新者の方…2024年度環境施設総括管理士 登録更新
環維協調査部会では、DBO事業や長期包括契約を実施している事業所の見学を行っていますが、新型コロナの影響で2019年からしばらくの間、視察を中断していました。
今年度は令和6年2月15日(木)に、22名の参加を得て、仙南地域広域行政事務組合「仙南クリーンセンター」の事業所見学会を開催しました。
同施設は、白石市、角田市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町の2市7町からなる仙南地域広域行政事務組合が整備した、処理能力200T/日(100T/24H×2炉)のボイラ・タービン発電付全連続流動床式ガス化溶融炉を有しています。
事業方式はDBO方式で、(株)神鋼環境ソリューションを代表企業とする「(株)仙南環境サービス」がSPCとなり、平成29年4月より15年間の運営・維持管理を行っています。
見学会では神鋼環境メンテナンス(株)の向井様、佐藤様にご対応いただき、ビデオによる説明の後、施設見学を行い、会議室に戻ってから質疑応答を実施しました。
施設見学では、自然採光を活かした美しいデザインの管理棟で資源リサイクルの重要性を学んだ後、プラットホームやごみピット、ガス化溶融設備やタービン発電機等を見学しました。原寸大のごみクレーンイラストや、ガス化炉及び溶融炉のイメージ図に関する掲示があるほか、職員の方が3D プリンターとダンボールで作成した施設模型など、見やすく工夫を凝らした見学者設備を多く備えていることが印象的でした。また、最終処分場の掘り起こしごみを溶融処理しているなど、特徴的な取組みについても説明があり、参加者は関心を持って説明に聞き入っていました。また、質疑応答では、運営維持管理に関する具体的な質問に対しても快く回答していただき、理解を深めることができました。
信頼性の高い、優れた技術に基づく施設と、それを活かす優れた運営維持管理により、安全・安心はもとより、循環型社会形成の拠点としての役割を果たしていることが理解できた貴重な見学会となりました。
また、事業所見学会の後、令和5年度調査部会全体会議を仙南クリーンセンター内の会議室で開催しました。調査部会が毎年実施している受託実態調査や総合評価プロポーザル方式実績調査に関する報告や意見交換を行い、調査部会の年間活動成果を皆で共有しました。また、環維協全般に関する概要を稲田事務局長に説明して頂き、環維協活動に関する理解を深めることが出来ました。
調査部会では、今後も受託実態調査、総合評価プロポーザル方式実績調査、事業所見学会、調査部会全体会議の開催を通じて、会員各社による積極的な活動を推進して参ります。
<見学風景>
環維協の機関誌『環境施設マネジメント』77号を、2024年3月11日(月)に発行いたしました。
「巻頭言」は、国立環境研究所資源循環領域長の大迫政浩氏に「日欧の都市ごみ処理の違いはどこから来ているのか?」と題してご執筆いただきました。
「The Voice」コーナーでは、宮古島クリーンセンターにインタビューさせていただきました。
「現場訪問記」は、大阪産業大学の桑本航平さんに、今治市クリーンセンター「バリクリーン」を訪問していただきました。
定例の「維持管理技術講座」「現場からのレポート」なども充実しています。
『環境施設マネジメント』は、協会会員以外の方にもご購入いただけます。詳細は当協会WEBの「出版物一般案内」をご覧ください。
第2回総括管理士会・技術部会・安全衛生部会全体会議、合同意見交換会および総括管理士認証式が神戸市三宮グランドビル(神鋼環境メンテナンス(株)が入居)で開催されました。
日 時:令和6年3月7日(木) 12:30〜17:00
場 所:三宮グランドビル2階会議室(神戸市)
出席者:技術部会全体会議:49名、安全衛生部会全体会議:32名、
合同意見交換会および総括管理士認証式:88名
1.技術部会全体会議
石川技術部会長より技術部会の役割・組織・活動概要について説明がありました。
引き続き、技術部会の各グループ代表および各チームリーダーから、それぞれのグループ、チーム活動の詳細な報告等、年間活動の成果が発表されました。
<技術部会全体会議 会場全景> <石川技術部会長>
2.安全衛生部会全体会議
笠原安全衛生部会長より安全衛生部会の組織・安全成績・活動概要について説明がありました。引き続き、安全衛生部会の各グループ代表から、それぞれのグループ活動の詳細な報告等、年間活動の成果が発表されました。
<安全衛生部会全体会議 会場全景> <笠原安全衛生部会長>
3.合同意見交換会
全体会議での各部会での発表後、技術部会、安全衛生部会および総括管理士会のメンバーなどが参加して合同意見交換会が行われました。
まず、技術部会長、安全衛生部会長および総括管理士会代表から挨拶および活動報告が行われました。
<合同意見交換会 会場全景> <総括管理士会 川端代表>
個別報告として技術部会から施設調査・関連団体グループの土屋代表から日本環境衛生センターとの技術交流会および令和4年3月の福島県沖地震の災害に関する災害調査結果が報告されました。
安全衛生部会から「わが社の安全衛生活動」と題して、会員会社2社の事業所で取組んでいる安全衛生活動が紹介されました。
「わが社の安全衛生活動について」
新明和ウエステック(株)
管理グループ長
藤野 篤 様
4.総括管理士認証式
今回認定されたのは、新規総括管理士9名、更新認定者30名と再開認定者5名で、今回の登録者を含めて総括管理士の総数は121名となりました。(部門別内訳は、ごみ焼却:91名、粗大・リサイクル:13名、汚泥再生・浸出水:17名)
新規総括管理士は2日間の認定研修会を受講したうえで厳しい論文審査、口述審査に合格して、1月の理事会で承認され、今回の認証式に至りました。
認証式では近藤会長より新総括管理士一人ひとりに、また登録認定者、再開認定者は代表者に認定証が手渡されました。その後、新総括管理士が自己紹介と抱負を述べた後、保延資格審査委員長から、下記の講評がありました。
【保延資格審査委員長の講評】
今年度新たに総括管理士として認定された9名の皆さん、おめでとうございます。そして大変ご苦労様でございました。また、更新申請者30名、再開申請者5名および個人特別会員1名の方が総括管理士の活動を続けて頂くことに大変嬉しく、また心強く思います。
新規申請者の論文内容について簡単に触れますと、運営管理者として日常努力されている顧客満足を追求する工夫や経験の内容、労働災害のヒヤリ・ハットの認知と撲滅に関する課題回答が具体的であり関心を持ったところです。至近の運営案件はDBO方式が主流となっています。これまで自治体が中心で事業者は運転管理のみといった一辺倒から、地域住民と一体となった安全、安心、そして安定運転を完全に達成する施設管理を要求されています。このような背景と状況から皆さんにとって重要課題と認識されていることが伺えました。皆さんが主張した考えと行動を肝に銘じ、しっかりと活動して頂きたいと思います。
最後になりますが、総括管理士の皆さまには、より一層の自社での指導、支援と当協会での益々のご活躍を強くお願い申し上げます。
<認定証の授与> <保延審査委員長 講評>
新総括管理士の氏名・所属会社は以下の通りです。
第32期総括管理士(新規9名)
<ごみ焼却部門>
大浦 恒一: (株)川崎技研
関根 勝樹: 川重環境エンジニアリング(株)
松本 健: 川重環境エンジニアリング(株)
髙松 善一: 三機化工建設(株)
村井 洋介: 三機化工建設(株)
髙井 弘斗: JFE環境サービス(株)
岩堀 愛弘: 日鉄環境エネルギーソリューション(株)
鍛冶田 徹: Hitz環境サービス(株)
<リサイクル部門>
橿渕 剛: 極東サービスエンジニアリング(株)
更新認定者(14期、17期、20期、23期、26期)合計30名
・ごみ焼却部門 (24名) ・リサイクル部門 ( 3名)
・汚泥再生部門 ( 3名)
再開認定者者(5名)
・ごみ焼却部門 ( 1名) ・リサイクル部門 ( 1名)
・汚泥再生・浸出水部門 ( 3名)
【近藤会長の講評】
当協会の総括管理士には現場総合力の向上を担う運転維持管理のエキスパートとして、運転管理のスペシャリスト育成や、質の高い運転維持管理を提供するための指導者としての役割を担っていただくことを期待しております。
従業員の方々の先鋒として活躍され、各施設における安全・安心な運転維持管理の達成に尽力願いたいと思います。
さて、近年、施設運営の受託契約では複数年契約や長期包括契約あるいはDBO契約が増加しており、長期にわたる人材確保が必要になってきていることに対して、将来にわたって働き手不足が予想されています。各プラントメーカで、運転の自動化、AI化に力を入れていますが、取り扱うものが一般廃棄物である以上、全く人の手を介さないということはなかなか難しく、少ない人員で対応することが求められてくると思われます。このことからも、現場総合力を向上させ、運転維持管理のエキスパートを育成することが必要になります。
さらにプラント設備は高度化しており、これに対応した、より高度な操業技術が必要となってきています。また、脱炭素社会形成に向けた法改正、機能増強、防災拠点化等の社会ニーズの変化対応するため、操業技術だけでなく、最新の社会情勢や情報を入手し、施設の設計思想とのマッチングを考えていく必要があります。総括管理士の皆さんは、これらについてもご理解頂き、地域や時代の多様な要請に積極的に応えるという当協会の事業目標達成にも注力頂きたいと思います。
今後とも会員会社皆様のお力をお借りして、総括管理士の活躍する場をこれまで以上に広げていくとともに、総括管理士の資格者を増やし、技術レベルを上げ社会に認められる資格としていきたいと思います。
開催日: 令和6年2月16日(金)
場 所: 環維協会議室
日環センター(一般財団法人 日本環境衛生センター)と環維協とのごみ処理に関する技術交流会が、2月16日に開催されました。
出席者は日環センター6名、環維協12名の合計18名でした。会議は日環センターの佐藤理事の挨拶で始まり、引き続き日環センターからの活動報告、環維協からの活動報告そして自由討議の順で進みました。
環境衛生施設の最新の動向を知る貴重な機会となり、お互いの活動報告に続き、「リチウムイオン電池に起因する火災」、「DBO事業に関する確認事項」などの情報交換・意見交換が活発に行われました。
活動報告および自由討議の終了後、懇親会を4年ぶりに開催し、相互の有意義な技術交流会が行われました。
1)議題
(1) 日環センターからの活動報告
① 精密機能検査業務の実施状況
② 長寿命化の総合計画の実施状況
③ PFI関連業務の実施状況
(2) 環維協からの報告
① 環維協の組織と活動概要
② 技術部会報告
③ 安全衛生部会報告
2)自由討議
(1) 日環センターに聞いてみたい
① リチウムイオン電池に起因する火災について
② 焼却施設におけるカーボンニュートラル(CN)に向けて
③ DBO事業や長期包括事業の契約期間満了時の確認事項について
④ 運営で実施可能な二酸化炭素削減案について
⑤ 能登半島地震での廃棄物処理に関して
⑥ 廃掃法の改正について
⑦ プラッスチックに係る資源循環促進法の普及状況について
⑧ 廃棄物処理分野におけるAIの活用事例について
⑨ 廃棄物処理施設の健全性について
⑩ 災害復旧においてJEMAができること
⑪ 東日本大地震の経験が生かせること
⑫ DBO案件での用役費の高騰について
(2) 環維協に聞いてみたい
① リチウムイオン電池が原因の発煙・発火について
② 廃棄物処理業における人手不足の問題について
③ 廃棄物処理施設における運転員の高齢化について
④ 見回り点検の効率化とペーパーレス化の方法について
⑤ 半導体の不足について
⑥ コスト削減の一つとして設備の一部の屋外設置について
⑦ プラスチック使用製品廃棄物の回収と発熱量の低下について
⑧ DBOにおける委託費の減額措置について
⑨ 運営事業者から発注者への月報などでの報告内容について
当協会の令和6年の賀詞交歓会が、1月23日(火)に東京都港区の芝パークホテルで開催されました。
当日は環境省の幹部をはじめ関連団体から多くのご来賓のご出席をいただき、協会会員会社を合わせ約100名の方が参加し盛大な賀詞交歓会となりました。
開会に先立ち、能登半島地震でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表して黙とうをささげました。改めて、近藤哲也会長が新年の挨拶を行い、そのあと今年の協会の活動目標を述べました。
「環維協は『地域に根ざして、社会を支える環維協』として、日本の環境衛生施設の運転維持管理業の健全な発展、安定した維持管理に貢献していきたいと思います。昨年、(株)日本管財環境サービス様および月島ジェイテクノメンテサービス(株)様に加入頂いたことにより、当協会加盟会社は20社となり、環境衛生施設の受託件数は1,062ヶ所、そこには17,300人を超える会員会社の運転員の方々が業務に携わっています。
当協会の目的である「会員相互の協力により、環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営・作業管理の推進を通じて公共事業の使命に寄与すること」に基づき、次の施策に取り組んで参ります。
1点目は「現場総合力のさらなる向上」です。
「現場総合力のさらなる向上」を目指し、現場操業力の要素である「操業技術力」、「安全衛生推進力」および「運営管理力」をさらに高める施策に取り組んで参ります。
また、持続可能な社会づくりに向けた総合的な取り組みとして「環境持続性」「社会的包摂」「経済の発展」の3項目を意識した取り組みを継続すると共に、地球温暖化防止の観点からエネルギー使用量とCO2排出量の削減にも努めてまいります。
さらに、環維協は環境衛生施設総括管理士を筆頭とする運転維持管理のエキスパート集団としての事業発展に引き続き取り組んで参ります。
2点目は「事業環境変化、社会要求変化への対応」です。
環境衛生施設運営の受託契約では複数年契約や長期包括契約が増加し、新規の環境衛生施設市場においてもDBO発注が増えるなど、契約形態は大きく変化してきております。これら契約形態の変化に応じた技能向上を目指すと共に、環境衛生施設に対するエネルギー回収や資源化に対する機能増強、防災拠点としての期待に応えるべく、地域の関係者と協力した活動を進めて参ります。
「働き方改革」の一環として、新型コロナウイルス感染症対応、事業所内の労務・人事問題、定年延長、障害者雇用・職場開拓の調査に取組んで参ります。
3点目は「研修活動、広報活動への継続した取り組み」です。
事業所で活躍されている方を対象とした事業所管理者研修会を継続的に開催し、会員会社の枠を超えた研修・グループディスカッション等を通じて、今後も事業所における指導者としての能力向上を目指して参ります。
また、大規模自然災害への備えとして広く社会に活用してもらえるように「災害調査報告」や「JEMA(環維協)版BCP」をホームページに掲載しました。環境衛生施設の事業所運営における基礎的な知識・技術から具体的な施設運転・維持管理、日常の教育、技術の向上に役立てて頂くべく、「維持管理事業所運営の手引き」(運営管理・ごみ処理技術編、運営管理編・し尿処理技術編)の四訂版を発刊しました。
今年も、引き続きこのような取り組みを継続したいと考えております。今後とも関係各位のご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします。」と決意を表明しました。
ご来賓の挨拶に移り、環境省 環境再生・資源循環局 次長 角倉一郎様からお話をいただきました。
「能登半島地震でお亡くなくなりなられた方にお悔やみ申し上げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。能登地域の廃棄物処理施設・し尿処理施設は全てが被災し、稼働停止となりましたが、いくつかは既に復旧しています。早期復旧に向けた皆様方のご尽力ありがとうございます。また、今なお早期復旧に向けて現場で携わっておられる皆様方に深くお礼申し上げます。
今回の震災で改めて、廃棄物処理施設・し尿処理施設が社会を支える基幹インフラとしてクローズアップされました。災害の時のこそ、こうした責任を果たすことで信頼を得て、期待に応えるものだと考えております。
また、脱炭素、資源循環の流れ、循環経済という形で大きな変革期を迎えております。循環基本計画の見直し、廃棄物処理システムの高度化に向けた制度改正に向けて取り組んで参ります。
この中で、運転の仕方によるCO2の削減、プラスチックリサイクルの進め方などの維持管理・運営のあり方は重要分野だと考えております。これらを考えるにあたって、皆様の意見を聞きながら、精一杯努力していきたいと考えております。」
続いて、日本廃棄物団体連合会会長で日本環境衛生センター理事長の南川秀樹様からご挨拶のあと、乾杯のご発声をいただき、歓談に移りました。
次に、環境省からお忙しいなかご列席いただきました環境省 大臣官房審議官 飯田博文様、環境再生・資源循環局の総務課長の波戸本尚様および廃棄物適正処理推進課長の松﨑裕司様からご挨拶を頂きました。
中締めは小武海副会長が行い、盛会裡に散会となりました。
環維協 近藤 哲也 会長 環境省 環境再生・資源循環局 角倉 一郎 次長
日本環境衛生センター 南川 秀樹 理事長 環維協 小武海 陽 副会長
日本の将来的な労働力人口の減少を見据えると、環境施設の安定的な維持管理業務を行うためには業務従事者のダイバーシティの推進は喫緊の課題であり、総務部会では様々な観点から継続的に議論を深めています。
去る12月7日に「維持管理事業所における女性活躍推進」をテーマに事例学習として、(株)シンキが受託運営を行っている「エコロジーパークこまつ」を訪問させていただきました。
(株)シンキは現在36名の女性従業員が在籍、女性管理職比率も43%と女性活躍が進んでいる企業で、当該施設でも事務・計量業務において5名の女性が活躍されています。
そのうちのお一人である広崎麻里様の案内のもと施設や計量職場を見学させていただいた後、意見交換を行いました。
意見交換では、女性従業員の皆さんが計量業務は市民と直接接するため、施設の顔であることを意識した応対を心がけていることや、正社員やパート社員といった雇用形態に関係なくマルチプレーヤーを目指していることなど仕事への思いや姿勢を具体的に伺うことができ、頼もしさを感じました。
また会社としても過去に女性がクレーン業務を担当されていた実績から、各人の希望に応じて活躍領域を広げていきたいと考えていること、いずれは夜勤を含めた運転や整備業務を担う女性従業員の輩出を目指しており、2028年までに女性従業員数を倍増させる目標を掲げられていることも伺いました。
その一方で、課題としてシャワー室や更衣室などの施設設備や、ダイオキシンばく露防止に関する法律による業務範囲の制約などを挙げられており、女性が運転業務に従事する難しさを再認識しました。
河合道夫社長から「焼却施設維持管理事業に関わる女性の母集団拡大や女性に対する周囲の意識の変化は一朝一夕に実現できるものではないため、長期的な視点で業界として取り組んでいく必要がある」とご意見をいただき、女性の活躍を実現するために総務部会として議論を深化させる必要性を考えさせられるきっかけとなりました。
最後になりましたが、ご協力くださいました(株)シンキの皆様ならびにエコロジーパークこまつの皆様に心より御礼申し上げます。