環維協技術部会では先進技術あるいは特徴的な技術を取り入れた廃棄物処理施設の見学研修会を実施しており、「令和7年度技術部会施設見学研修会」を下記のとおり開催しました。
1. 開催日:令和7年7月29日(火)
2. 見学施設
1) ごみ処理施設:大田清掃工場(東京二十三区清掃一部事務組合)
2) 水処理施設:有明水再生センター(東京都下水道局)
3. 参加者数
1) ごみ処理施設 27名
2) 水処理施設 26名
4. 施設および研修概要
1) 大田清掃工場(新工場)
所在地:東京都大田区京浜島3-6-1
焼却方式:全連続燃焼式火格子焼却炉(廃熱ボイラ付)
処理能力:600トン/日(300トン/日・炉×2基)
ボイラ :過熱器付自然循環式水管ボイラ
発電設備:衝動式外部抽気復水型蒸気タービン
発電定格出力:22,800kW
【研修概要】
大田清掃工場(新工場)と大田清掃工場第一工場が隣接して稼働しており、今回は新工場の方を見学させていただきました。
羽田空港の直近であるため、煙突が低く抑えられていることが印象に残る施設です。
まずは見学者説明室にて施設の概要の説明をしていただき、その後2グループに分かれて施設内の見学を行いました。見学者通路からプラットホームや中央制御室、ごみバンカ、プラント内などを見学しました。炉室等は、非常にきれいに維持されていること、また、見学者コースからは、羽田空港を一望できたことが印象的でした。見学後に見学者説明室に戻り活発な質疑応答が行われました。
2) 有明水再生センター
所在地:東京都江東区有明2-3-5
処理能力:30,000m3/日
高度処理:A₂O法+生物膜ろ過法
【研修概要】
有明水再生センターは宇宙船をイメージしたデザインが目を引く施設で、臨海副都心のクリーンセンター内に設置されている分流式汚水処理施設です。処理区域は、砂町処理区の一部との事でした。
A₂O法と生物膜ろ過法という高度処理方式を採用し、処理した水は東京湾に放流しており、また、その一部をオゾン処理や繊維ろ過処理によりさらに綺麗にし、センター内で機械の洗浄・冷却や修景用水等に使用するだけでなく、臨海副都心のビルなどのトイレ用水や東京臨海新交通臨海線の車体洗浄用水に再生水として供給していました。
施設見学は3グループに分かれて行われ、見学中にも、多くの質問が飛び交っていました。
5. おわりに
今回、東京都の2施設で施設見学研修会を開催しましたが、施設や運転維持を行っている人を直接見聞きし大変有意義な施設見学研修会となりました。
特に、空港近くに立地していることによる航空法による建物の高さ制限や、都市部ならではの処理施設を地下に建設するといった特別な条件下での建設はあまり見られない事なので新鮮に感じました。
本報告は協会誌「環境施設マネジメント 81号」に掲載予定です。