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令和2年度(第33回)事業所管理者研修会開催される。2020年11月20日




昭和63年から毎年開催している「事業所管理者研修会」が今年もメルパルク東京で11月12日(木)、13日(金)の2日間にわたって開催された。今回は新型コロナウイルス感染症の流行の状況を考慮して、研修室が密になることを避けるため聴講者の募集を中止とし、受講者のみの参加とした。また、例年、会員会社の参加者および受講者の親交を深めていた懇親会も中止とした。

開催に当たり、受講者一人一人の問診票の提出、研修会開始前の検温、アルコール消毒、研修会場の扉開放など3密の回避に努めるなど感染防止対策を行った。コロナ禍での開催でもあり、今回の受講者は40名(うち、ごみグループ36名、水グループ4名)となり、ごみグループおよび水グループ合同の全体研修とした。

【第一日目】
 はじめに﨑山協会会長から新型コロナウイルスの流行により、企業活動、社会活動などに著しい制約を受け、会員会社の皆様も感染防止に苦労されておられる状況下で、皆様のご尽力で事業所管理者研修会を開催できたことに対しての謝意の後、開講挨拶を行った。

「廃棄物処理施設は大規模な自然災害が発生した場合にも安定的に廃棄物の処理を行う必要がある。環維協の事業目的は『会員相互の協力により、環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営、作業管理の推進を通じて公共事業の使命に寄与すること』とあり、『現場総合力の更なる向上』を目指して本日の研修会を開催します。現場総合力とは操業技術力・安全衛生推進力・運営管理力で、これら要素の実力をさらに高め広く社会に貢献していくことを目的としています。」と環維協の意義を説かれ、締めくくりに「この事業所管理者研修会が今後の活躍に役立つことを期待し、加盟会社の垣根を越えた環維協の一員として技術の研鑽を図り、広く地域社会に貢献して頂くことを期待する。」と激励された。

その後、青木広報部会長から環境施設マネジメント誌の案内および稲田事務局長より環維協の組織と活動概要説明があり、第1日目の全体研修が始まった。

<第33回事業所管理者研修会 開講>   <﨑山会長 開講挨拶>
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<全体研修>
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◆特別講演 最新の廃棄物処理動向(1)
「近年の廃棄物処理施設の運営の動向」
(公社)全国都市清掃会議 技術指導部長 荒井 喜久雄氏
 パブリック・プライベート・パートナーシップとして、官民が協力してお互いに誠意をもって対応し、安全・安心な運営を達成し、官民互いの「利益」を実現しつつ、地域との信頼を築く「世間よし」を目指す。

◆特別講演 最新の廃棄物処理動向(2)
「新型コロナウイルス感染禍における廃棄物処理の新型コロナ対策」
  −正しく恐れて、適切に行動する With CORONA−
( 一財)日本環境衛生センター 研修事業部 部長 村岡 良介氏
 公衆衛生対策のための廃棄物処理として伝染病の流行の歴史と法整備について紹介があり、公衆衛生にはごみ処理は不可欠であり、今回の新型コロナウイルス感染症に対する環境省通知、細菌とウイルスの違い、新型コロナウイルスの感染状況、感染予防について紹介された。そして、「廃棄物処理業における新型コロナウイルス対策ガイドライン」に沿って、感染予防対策の具体的な説明があった。

<荒井 喜久雄氏>               <村岡 良介氏>
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 午後からは、専門技術講座、事業所紹介、ごみ処理・水処理Q&Aおよびグループディスカッションが行われ第1日目を終了した。

◆専門技術講座(1):「リチウムイオン電池の問題」 
( 一財)日本環境衛生センター 環境事業第三部 部長 藤原 周史氏
◆事業所紹介:「東京二十三区清掃一部事務組合 豊島清掃工場」
東京エコサービス(株) 豊島管理事務所 前所長 浅川 勝男氏
◆ごみ処理Q&A、水処理Q&A
 研修会受講者より出された質問に対しての回答説明が行われた。
◆グループディスカッション
 地域毎に8つの班を編成して、自己紹介に続き「事業所の新型コロナウイルス対策」と「コロナ対策のBCP」などをテーマに自由に討議を行った。

<藤原 周史氏>                 <浅川 勝男氏>
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<ごみグループディスカッション>       <水グループディスカッション>
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【第二日目】
 研修の第2日目は、前日に引き続き、専門技術講座(2)、専門技術講座(3)の全体研修が執り行われた。

◆専門技術講座(2):「災害多発時代における廃棄物処理施設の強靭化」 
(株)タクマ 技術センター 東京技術企画部
 副部長 増田 孝弘氏

◆専門技術講座(3):「災害廃棄物処理」 
( 一財)日本環境衛生センター 環境事業第三部 次長 立尾 浩一氏

<増田 孝弘氏>                 <立尾 浩一氏>
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午前の最後として石川技術部会長より環維協技術部会・安全衛生部会の活動紹介とその成果物の報告があり、午後から、労務・安全衛生管理についてのプログラムを催し、基調講演とパネル討論が行われた。

◆基調講演(1):「現場の人事・労務管理」
 クボタ環境サービス(株) 総務部人事課 係長(社会保険労務士)  熊谷 大氏
◆基調講演(2):「労働災害を防ぐために」〜元労働基準監督官の経験と思いから〜
神鋼環境メンテナンス(株) 顧問(社会保険労務士) 茶園 幸子氏

基調講演に続いて「事業所の労務管理・安全管理」を題材に、ゲストおよびパネラーに加え受講者の質問も交えて、モデレーターの進行によってパネルディスカッションが行われた。

<熊谷 大氏>                   <茶園 幸子氏>
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<パネルディスカッション>
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最後に石川技術部会長の閉会の挨拶および修了証の授与で研修会を終了した。
「研修内容は、廃棄物処理の新型コロナ対策、リチウムイオン電池の問題など、昨今の問題を織り込みつつ企画したもので、皆さんの事業所運営に少しでも役立つように意図したものです。顧客にも今回の研修について誠実に報告していただきたい」と閉会の辞を述べた。続いて修了証を代表者に授与して、閉会とした。

<石川技術部会長 閉会挨拶>        <修了証授与>
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研修会の詳細については、「環境施設マネジメントNo.71」(2021年3月発刊予定)に掲載しますので、一読ください。