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令和元年度 技術部会施設見学研修会を開催2019年5月27日




環維協技術部会では先進技術あるいは特徴的な技術を取り入れた廃棄物処理施設の見学研修会を毎年実施しており、「令和元年度技術部会施設見学研修会」を下記のとおり開催しました。
1. 開催日:令和元年5月16日(木)〜17日(金)

2. 見学施設
 1) ごみ処理施設(5月16日)
 住所:〒816-0842 福岡県春日市大字下白水104番地5
 クリーン・エネ・パーク南部(福岡都市圏南部工場)
 2) 下水処理施設(5月17日)
 住所:〒810-0076 福岡県福岡市中央区荒津2-2-1
 中部水処理センター

3. 参加者数 1)ごみ処理施設49名 2) 下水処理施設31名

4. 施設および研修概要
 1)クリーン・エネ・パーク南部(福岡都市圏南部工場)
 処理方式:全連続燃焼式ストーカ炉
 処理能力:510t/日(170t/日×3炉)
 運営事業者:株式会社 創造の森(運転業務:JFE環境サービス(株))

【研修概要】
本施設は、福岡都市圏南部地区約60万人の住民の燃やすごみを処理する目的に、運営期間25年のDBO契約により平成28年3月に稼働しました。
施設到着後、研修室で施設運営事業者である株式会社創造の森の代表取締役山田様とNPO法人 生活環境ネットC&Cから施設の概要の説明していただき、その後、見学者通路から中央操作室、ごみピット、タービン発電機などの見学およびゲーム感覚でごみ処理体験が出来るリアル体験シアターを利用しました。
見学後に研修室に戻り活発な質疑応答が行われました。

<質疑応答の様子>
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<クリーン・エネ・パーク南部にて集合写真>
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 2) 中部水処理センター
 処理方式:嫌気好気活性汚泥法
 処理能力:30万m3/日

【研修概要】
本研修では、消化槽から発生する消化ガス(以下バイオガスと言う)の流れに沿って施設を見学しました。バイオガスを原料として高純度の水素ガスを製造し燃料電池自動車に供給する設備は、世界初の水素ステーションとして国土交通省の平成26年度「下水道革新的技術実証事業(通称:B-DASH)」に採択されたそうです。
見学後会議室で、中部水処理センターの平山様、B-DASHの共同研究者である三菱化工機(株)の中村様より、バイオガスから水素を製造するメカニズムなどについて説明していただきました。

<施設の説明をしていただきました平山様>
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<熱心に耳を傾ける環維協見学者>
gijyutsu_sisetsukengaku_2019_4.jpgのサムネイル画像


5. おわりに
クリーン・エネ・パーク南部では、運転班12名(3名/班×4班)、整備班5名、ごみ受入7名および所長、副所長の合計26名体制で運転されており、施設稼働3年経過後でも大きなトラブルが発生していないとのことでありました。
中部水処理センターでは、バイオガスから水素を取り出す際に分離される二酸化炭素を回収し、農業用のハウス栽培で活用されています。また、バイオガスは、ガスエンジン発電機の燃料としても活用され、発電した電気は場内利用やFIT事業により年間約1,570世帯分の電気を売電しているとのことでした。
今回の施設見学研修会では、先進的な2施設で直接見聞きし、大変有意義な施設見学研修会となりました。
本報告は協会誌68号(9月発行)に掲載します。