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第27回海外環境衛生施設視察を実施2017年10月 2日




 今年度の海外環境衛生施設の視察は第27回を迎え、9月10日(日)〜16日(土)の7日間の
日程で、デンマーク、スウェーデン、フィンランド北欧3ヵ国の施設を視察しました。
視察団は福田団長(環維協副会長)、福井副団長以下事務局を合わせて、16社27名と
今までで一番多くの参加者となりました。
 ストックホルム、ヘルシンキは北緯60度とアジアではカムチャッカ半島の付け根ぐらいに
位置しますが、現地はちょうどよい気候、雨も視察に支障がでるような降りはなく、そして事故、
トラブルなども無く、予定どおりの行程で視察を終え、無事帰国しました。それぞれの視察先の
選定経緯、視察状況の概要は次のとおりです。

1.デンマーク・コペンハーゲン ARCごみ焼却施設
 ARC社はコペンハーゲン市ほかが出資する公営企業で、焼却プラントそのものよりも、
 屋上が人工スキー場、外壁にロッククライミング施設と、建設途中から注目されている
 施設でした。ただ、視察時には完成しているはずでしたが、工期がかなり遅れ、まだ
 試運転中ということで、プラント内部の視察は残念ながらできませんでした。

2.デンマーク SSFバイオガス熱回収施設(コペンハーゲンから西方90km)
 今までは下水処理施設を視察しておりましたが、デンマークは酪農王国ということで、
 畜ふんからのバイオガスによる熱回収施設を選定しました。牛、豚を飼育する農家と
 暖房、給湯の熱供給を受ける住民が協同組合のような組織で運営しております。
 従って、大きな施設ではありませんでしたが、このような施設がデンマーク各地に
 根付いていることを実感しました。

3.スウェーデン・ストックホルム ロイヤル・シーポートごみ空気輸送施設
 環維協会員には、粗大・リサイクル施設の運転を行っている会社も加盟しており、
 その会社からの参加者のためにリサイクル施設の視察を取り入れるよう調査しており
 ますが、なかなかふさわしい施設がないのが、現状でした。

 今回はリサイクル施設ではありませんが、ストックホルムの新しい再開発地域での
 ごみのダストシュートによる回収と空気輸送による中継基地の視察となりました。
 中継基地は日本と違い、北欧特有の岩盤をくり抜いて建設されております。日本では
 なかなか普及しなかったこのシステムですが、この地ではごみ収集車に代わるシステム
 として大いにPRされておりました。

4.フィンランド・バンターごみ焼却施設
 バンターエナジー社はヘルシンキ市と隣接するバンター市が共同出資のエネルギー
 企業で、施設は日本のプラントメーカーの欧州子会社が2014年に建設したストーカ炉
 480t/d×2炉の最新のごみ焼却発電施設です。
 Waste-to-Energyの考えの下、メンテナンス期間を圧縮し、長期連続運転が目標との
 ことでした。また、運転員のモチベーションアップのため、責任感をもって仕事に
 取り組めるようにしているとの説明でした。

 今回の視察は、従来のごみ焼却のほかには、畜ふんバイオガス、ごみ空気輸送と新しい
 視点から視察先を選定し、加えました。また、視察団も社長、役員クラスから本社の技術、
 営業、総務のスタッフ社員さらには現場の事業所長も4名と、幅広い層の参加となり、
 それぞれの立場での有用な視察になったことと合わせて、団員のコニュニケーションも
 大いに図られ、有意義な視察となりました。
 視察の詳細は、当協会の機関誌「環境施設マネジメント」65号(来年3月発行)に掲載
 予定ですので、ご一読いただければ幸いです。

ARCごみ焼却施設
  現有施設での概要説明           現有施設屋上の部屋から隣の新施設を見る
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SSFバイマス熱回収施設
  畜ふんを輸送するタンクローリー      プラント内部の視察
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ロイヤルシーポート 
 ごみ空気輸送建物脇のごみダストシュート   岩盤のなかに作られた中継基地
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バンター ごみ焼却施設 全体写真      説明を受けたロビーでの集合写真
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