2024年度の環境施設総括管理士資格認定研修会が9月5日、6日の両日、新規申請者11名(ごみ焼却9名、リサイクル1名、汚泥再生1名)、登録更新申請者30名、再開申請者1名、個人特別会員5名 その他審査委員、協会関係者を含め総勢約60名が参加してアジュール竹芝で開催されました。
近藤会長から、「環境衛生施設維持管理業協会は、廃棄物処理施設の運転維持管理会社の事業団体"として1985年4月に設立されました。現在、当協会は、加盟会社20社、受託事業所は合計1,088ヶ所に及び、そこには17,500人の加盟各社の運転員の方々が日々業務に携わっており、ますます社会で重要な役割を担っています。
当協会の事業目的は会員相互の協力により、環境衛生施設の維持管理技術の研究・研鑽と安全で安定的な運営・作業管理の推進を通じて公共事業の使命に寄与することです。この目的達成のために、『操業技術力』、『安全衛生推進力』、『運営管理力』の3つの要素からなる『現場総合力』の更なる向上を目標とし、広く社会に貢献していく活動に取組んでおります。
1992年11月に設立しました「環境施設総括管理士制度」は、この事業目的、目標を達成するための事業活動の一つとして設立したものです。総括管理士には、運転維持管理のエキスパート集団の筆頭として、運転管理のスペシャリストを養成し、施設の設計思想を十分理解した、安全で安定した質の高い運転・維持管理を提供するための指導者としての役割を果たすとともに、その役割を広く社会に広めることを期待しています。
そのためにも、総括管理士の方々は協会内の総括管理士会に所属して頂き、技術部会、安全衛生部会の部会活動に積極的にご参加頂くとともに、事業所管理者研修会を中心とする研修活動、各種講習会へ の講師派遣等の教育活動、各種技術講座への出版による広報活動、各種団体との交流活動を行っていただきます。又、各所属会社においても指導者として、事業所の安全・安定操業と適正な運営・維持管理能力向上を図り、環境衛生事業の推進、発展に寄与するよう活動していただきたいと考えています。
さらに、当協会を取巻く事業環境や社会要求は時々刻々変化してきております。
施設運営の受託契約では複数年契約や長期包括契約あるいはDBO契約が増加しており、さらには環境衛生施設におけるエネルギー回収や資源化に対する機能増強、施設の自動化・遠隔監視・省力化への対応も必要となってきています。このため、このような変化に即した施設運営や運転・維持管理に関する技能の向上が求められてきています。
加えて、近年の自然災害の多発に備えるため、地域の防災拠点としての役割も期待されており、これを実現するべく地域の関係者と協力した活動が必要になってきています。
そのためにも、この研修会を通じて総括管理士の指導者としての役割、活動をご理解頂き、会社の垣根を越えた活動により、視野と知識を広げ、技術の研鑽を図ることで、これから広く地域社会に貢献して頂くことを祈念しております。」との挨拶がありました。
環境省、廃棄物関連法人などから著名な方々を講師に招き、最新の環境行政、資源循環を踏まえ脱炭素社会に向けた展望と課題、廃プラスチック問題とその対応および安全衛生管理など多くの貴重な講義をいただき、総括管理士としての重要な役割を認識するとともに、廃棄物処理に関する最新の情報を得る貴重な2日間でありました。
最後に、保延資格審査委員長から、「環境施設維持管理業協会の活動目標は『現場総合力の 更なる向上』であり、『操業技術力』、『安全衛生推進力』および『運営管理力』の3つの要素の実力を高め、広く地域社会に貢献するために活動を行っている。この目標を達成するための施策 の一つとして『環境施設総括管理士を筆頭とする運転維持管理のエキスパート集団として事業を発展していく。』とうたっており、総括管理士各位には「現場総合力の向上」のための指導者として事業所の安全・安定操業と適正な運営・維持管理能力向上をを図るとともに、環境衛生事業の推進、発展に寄与することを期待されている。」との激励のメッセージがあり研修会を終了しました。
新規申請者は、今後、論文審査、口述審査を経て、2025年1月の理事会で正式に承認された後、新総括管理士として登録される予定です。
ちなみに、今回の資格認定研修会の講師とテーマは以下の通りです。
・「環維協の概要および総括管理士の役割」
当協会 環境施設総括管理士会 代表 川端 保宏氏
・「運転管理会社としての安全衛生対策」
当協会 安全衛生部会 部会長 井上 雅裕氏
・「最近の廃棄物・リサイクル行政の動向について」
環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課
課長補佐 勝見 潤子氏
・「自治体のごみ処理の現況と今後(広域化をめぐって)」
元(公社)全国都市清掃会議 荒井 喜久雄氏
・「自治体から見た廃棄物処理施設の運営・維持管理の状況と課題」
(公社)全国都市清掃会議 技術部長 八鍬 浩氏
・「資源循環を踏まえ脱炭素社会に向けたごみ処理の今後の展望と課題」
(一財)日本環境衛生センター 環境工学第一部長
理事 藤原 周史氏
・「し尿処理・汚泥再生処理施設に係る現代の運転管理
−社会情勢の変化に対応した運転管理-」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業本部環境事業第二部
次長 岡崎 貴之氏
・「し尿処理・汚泥再生処理施設に係る現代の運転管理
−今後の施設運営に求められる視点−」
(一財)日本環境衛生センター 環境事業本部環境事業第二部
部長 稲田 隆治氏
・「サ−キュラーエコノミーを基調とした日本型都市ごみ処理システムとは」
(国研)国立環境研究所 フェロー 大迫 政浩氏
・「環境上適正な水銀管理について」
京都大学大学院 工学研究科 都市環境工学専攻
教授 高岡 昌輝氏
・「廃プラスチック問題とその対応」
(株)廃棄物工学研究所 代表
岡山大学 名誉教授 田中 勝氏
認定研修会
近藤哲也会長 開会挨拶 環境省 課長補佐 勝見潤子氏
元全都清 荒井喜久雄氏 全都清 技術部長 八鍬浩氏
日本環境衛生センター 理事 藤原周史氏 日本環境衛生センター 次長 岡崎貴之氏
日本環境衛生センター 部長 稲田隆治氏 国立環境研究所 フェロー 大迫政浩氏
京都大学大学院 教授 高岡昌輝氏 廃棄物工学研究所 代表 田中勝氏