環維協技術部会では、先進技術の施設あるいは廃棄物処理技術で特徴的な施設の
見学研修会を毎年実施しており、平成30年度の施設見学研修会が下記のとおり開催
されました。
1.開催日:平成30年6月14日(木)〜15日(金)
2.見学施設
1)メタン発酵施設(6月14日)
住所 〒830-0405 福岡県三潴郡大木町大字横溝1331番1
おおき循環センター「くるるん」
2)ごみ処理施設(6月15日)
住所 〒847-1211 佐賀県唐津市北波多岸山234-2
唐津市清掃センター
3.参加者数 1)汚泥再生処理施設44名 2)ごみ処理施設45名
4.施設および研修概要
1)おおき循環センター「くるるん」
処理方式 資源化:メタン発酵 水処理:高負荷脱窒素処理方式
処理能力 生ごみ:3.8t/日 し尿:7.0kℓ/日 浄化槽汚泥:30.6 kℓ/日
運転管理 一般社団法人 サスティナブルおおき
[研修概要]
本施設の特徴は、し尿、浄化槽汚泥に生ごみを加えてメタン発酵させ、バイオガス
による発電(700〜800kwh/日)の電力と液肥(約6,000t/年)の生産をするところに
あります。本施設は農林水産省の「バイオマス環づくり交付金」を受けて、平成18年
11月に稼動しました。
施設到着後、環境学習室で施設の指定管理者である一般社団法人サスティナブル
おおきの松内プラント管理グループ長から施設導入の背景・施設概要・大木町の
資源化を支える地域循環のシステムなどの説明をしていただき、その後プラントを
見学しました。
見学時に液肥貯留槽から液肥を抜き出して匂いを嗅ぎましたが、ほとんど気になら
ない程度の製品になっており、その液肥は無料で貰うことが出来るそうです。
<松内プラント管理グループ長> <おおき循環センター「くるるん」にて集合写真>
2)唐津市清掃センター
処理方式 流動床式焼却炉
処理能力 150t/日(50t/24h×3炉)
発電能力 220kW
運転管理 三井E&S環境エンジニアリング株式会社
[研修概要]
平成9年3月竣工のごみ処理施設で、施設延命化の基幹改良工事において貫流型
廃熱ボイラ増設により20%以上の二酸化炭素削減が可能となり「先進的設備導入
推進事業」(交付率1/2)の認定を受けた施設でした。
施設到着後会議室にて、三井E&S環境エンジニアリング(株)の奥村担当部長
から「小規模ごみ焼却施設における発電設備の導入事例紹介」とのタイトルで
説明があり、質疑応答後に工場内を見学しました。
工場内では、基幹改良工事箇所を中心にボイラ本体・蒸気タービン発電機・脱気器・
純水装置などを見学しました。見学後に会議室に戻り活発な質疑応答が行われました。
<施設概要の説明の様子> <パッケージ型蒸気タービン発電機>
5.おわりに
おおき循環センター「くるるん」は、人と車が往来する国道沿いに立地しており、
施設に隣接した農産物直売所と郷土料理レストランを併設した道の駅との共存を
図るなど、町の活性化にも寄与した施設でありました。
また、唐津市清掃センターは、当初はバイナリー発電で基幹改良工事が計画され
ましたが、事業費は増加するものの、高効率な廃熱ボイラ増設による蒸気発電方式
に変更することにより、短期間で回収可能と判断し導入された施設でした。
今回の施設見学研修会では先進的な2施設で直接見聞きし、大変有意義なものと
なりました。