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平成29年度 技術部会 施設見学研修会 開催される2017年7月25日




環維協技術部会では平成29年度施設見学研修会を下記のとおり開催しました。
今回は、昨年の熊本地震を受けて、環境衛生施設の対応状況、今後の課題などについて、
実際に施設を見聞し、今後の維持管理業務への一助とすることを視察のテーマとしました。
1. 開催日:平成29年7月12日(水)〜13日(木)
2. 見学施設
 1) 汚泥再生処理施設(7月12日) 
  熊本県菊池広域連合 クリーンセンター花房
 2) ごみ処理施設(7月13日)
  熊本市西部環境工場
3. 参加者数 それぞれ52名
4. 施設および研修概要
 1) クリーンセンター花房
  処理方式 膜分離高負荷脱窒素処理方式+高度処理 
  処理能力 96kℓ/日
  竣工   平成17年12月
  運転管理 浅野環境ソリューション株式会社

[研修概要]
最初に会議室で施設概要のビデオを視聴し、菊池広域連合様作成の資料を基に、
浅野環境ソリューション(株)の古圧九州支店長と現地久恒所長から説明を受け
施設内を案内していただいた。
計画処理量は96kℓであるが、平成28年度の処理量は74kℓであり、その中でもし尿が
減少して、浄化槽汚泥の比率が相対的に高まってきている。
熊本地震での被災は無く、し尿・浄化槽汚泥の受入れも当初要請はあったが、実際の
搬入はなかった。その後、災害対応について広域連合と運転管理会社で協議し、いろ
いろな事態を想定した各種マニュアルを作成したとのことでした。
また、施設内で資源化された堆肥は「はなぶさ育ち」という名称で地域住民に無料配布され、
好評で9ヶ月の予約待ちの状況であると話がありました。

<施設内の視察状況>
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<人気の肥料「はなぶさ育ち」>
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 2)熊本市西部環境工場
  処理方式 全連続焼却式ストーカ炉280t/日 
  処理能力 280t/日(140t/24h×2炉)
  発電能力 5,700kW
  竣工   平成28年3月
  運転管理 JFE環境サービス株式会社

[研修概要]
稼働して1年の最新のごみ処理施設で、施設はDBOで発注され、運営期間は20年となって
います。施設概要の説明は運営会社(SPC)である(株)エココミュニティくまもとから
請け負っているNPOの担当者から受けました。まず、概要説明用の3Dビデオで、ごみに
なった感覚で楽しく設備フローを理解し、その後に工場内を見学となりました。
特に食料備蓄庫や授乳室、緊急時に近隣住民が避難しやすいように設けられた外階段の
設備にも高い関心が集まっておりました。
見学後に会議室に戻り、SPCの三好社長とJFE環境サービス(株)の黒木所長に対応いた
だき、熊本地震時に関することを中心に活発な質疑応答が行われました。

<炉内リアル体験ロード>
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5.おわりに
 両施設にて熊本地震時の話を見聞きし、熊本市西部環境工場では地震の影響で段差が
約20cmできた場所も目の当たりしました。また熊本市西部環境工場は災害廃棄物処理で
中心的な役目を果たし、地元住民の一時避難場所になった時の対応等などを直接伺う
ことができ、活きたBCPの教材としても貴重な体験を得て、大変有意義な施設見学研修会
となりました。
 なお、見学研修会の詳細は9月発行の環維協機関誌「環境施設マネジメント」64号に
 掲載予定です。

<熊本市西部環境工場にて集合写真>
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