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第26回海外環境衛生施設視察を実施2016年10月 6日




今年度の第26回海外環境衛生施設の視察は、9月11日(日)〜18日(日)の8日間で、ドイツ、
スペインを巡り、木質チップ焼却発電施設、ごみ焼却発電施設、下水処理施設の3ヵ所を
視察しました。
視察団は米田団長、俵副団長以下合せて12社22名と20名を超える参加者となり、また現地
ではほぼ天気にも恵まれ、事故・大きなトラブルなく、予定どおりの行程で視察を終え、
帰国することができました。

 視察の概要は以下のとおりです。(視察順)
1.ドイツ ハイデルベルグ市木質チップ焼却発電施設
市は2017年までにCO2排出量を20%削減する方針をたて、再生可能エネルギーの割合を
可能な限り増加させています。電力の供給は大手電力会社だけでなく、地方自治体も
手がけており、自治体はごみ処理、熱供給、水道、ガスなどさまざまなインフラサービスを
提供しています。
本施設も自治体が出資する企業組織である”シュタットベルケ”が運営しており、ごみピット
(貯木場)では5,000m3の木質チップが保管でき、年間60,000トンを処理し、地域への電力供給
および熱供給に役立っていました。
(ハイデルベルグ市における約50%所帯が熱供給を受け暖房に利用しています。)

2.スペイン バルセロナ市ごみ焼却発電施設
本ごみ焼却発電プラントは1975年に竣工後、40年稼動し、2012〜2014年に基幹改良工事が
施工されました。
ストーカ式焼却炉(360t/日×3炉=1,080t/日)で、2基の蒸気タービンで合計31,750kWの
発電能力を有し、バルセロナ市他により設立されたTERSA社により運営されていました。
なお、本施設では、日立造船の子会社であるHitachi Zousen Inova AG(HZI)が基幹改良
工事に携わり2014年11月に完工しました。

3.スペイン マドリード市トレホン・デ・アルドス下水処理場
Canadl de Isabel 2は、マドリード州により1984年に設立されマドリード州179市町村
(650万人)に上水を供給し、ダム(14か所)、上下水(13か所)、下水処理場(156か所)を
管理する水環境事業を行っていました。
本トレホン・デ・アルドス下水処理場は2009年に稼働し、2013年に改修工事を完了した
ハラマ川流域では最大の下水処理場でありCanal de Isabel 2から委託された民間会社に
より運営されていました。

今回の視察では地元自治体によるエネルギーの地産地消、自治体により設立された企業
による運営状況を視察しました。それぞれ異なる事業主体での処理体制を視察し、その
背景や考え方を知ることができ、日本との違いを含めて、今後の業務を進めていく上で、
多いに参考となる有意義な視察となりました。
 視察の詳細は当協会の機関誌「環境施設マネジメント」63号(来年2月発行予定)に
掲載する予定ですので、ぜひご一読いただければと思います。

<ドイツ ハイデルベルグ市木質チップ焼却発電施設>
会議室での説明、質疑応答           現地視察
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視察終了後の記念品贈呈            集合写真
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<スペイン バルセロナ市ごみ焼却発電施設>
ごみ焼却発電施設全景             中央制御室にて
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<スペイン マドリード市トレホン・デ・アルドス下水処理場>
施設にて                      現地視察
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